アリシアクリニック経営破たんによって、9万人を超える人が契約しているのに、施術を受けられない事態に直面したとされる。
これによって、医療脱毛を検討している人に少なからず影響を与える可能性がある。
経営破たんによる医療脱毛の信頼低下
- 脱毛料金体系→ 複数回の施術を前提としたコース料金が一般的。都度払いはやや割高。
- 前払いのリスク→ 数十万円を支払った場合でも、クリニックが破たんすれば返金されない可能性がある。
- アリシアクリニックの事例→ 前払い金が戻らない問題が発生し、多くの利用者が経済的・心理的被害を受けた。
医療脱毛にしても、エステ脱毛にしても、コース料金によって割安で脱毛を受けられるのが普通だろう。脱毛の方法にも変わってくるが、脱毛は一度しても、毛の生え替わりの関係もあって、すべての毛を脱毛するには毛周期に合わせて複数回の施術が必要となる。コース料金は、複数回を前提とした脱毛の施術にとっては理にかなった料金体系だとはいえる。
脱毛には、コース料金だけではなく、都度払いもある。この場合には、1回施術を受けるごとに支払う方法となる。脱毛施術を受けると、一定期間は毛が抜けてきて、一定期間は効果を実感できるので、また生えてきたら都度払いで脱毛の施術を受ければよいという考え方もできる。この場合には、やや割高になってくるだろう。
クリニックによって価格は異なってくるが、イメージでいえば、一つの部位で5回10万円程度が医療脱毛で一般的な価格帯といえるだろう。さらに全身脱毛のコースにするなどすると、さらに割安になる。コースで受ける部位が増えてくるとそれだけ得になる形になる。
半面で、コース料金にすると、ある程度の料金を前払いする必要がある。多くの人が複数部位をコースで契約するので、医療脱毛では30万~40万円程度の契約料を支払った人がよく聞かれる。これでコースの通りに施術を受けられれば、それで、全身の脱毛がある程度完了するので、支払うべき金額が決まる分だけ安心ではある。
ところが、医療脱毛のクリニックが破たんしてしまうと、ここまで書いたような安心感は当然揺らぐことになる。数十万円を前払いして、施術を何ら受けられないまま、返金も受けられないとなれば、お金を失ったのと何も変わらない。
今回、アリシアクリニックで起きたことはこうした問題であり、それは多くの人にとって、経済的にも心理的にも大きなダメージになったのは間違いない。ヒフコNEWSでも伝えているように、クレジット払いの停止を申し込んだり、返金の交渉をしたりすることは重要だ。
コース契約と都度払いの選択肢
- 医療脱毛の信頼性→ アリシアクリニックの破たんにより、医療脱毛が必ずしも盤石ではないことが露呈。
- コース料金の懸念→ 前払いのリスクを懸念し、都度払いを選ぶ動きが増える可能性。
- 美容医療の今後→ 2025年の業界ガイドライン策定に向けて、脱毛分野も変革期を迎える見通し。
経営破たんは、今後、アリシアクリニックだけの問題にとどまらないと推定される。安心材料だった医療という、エステ脱毛とは異なる運営の違いが、必ずしも盤石ではないことが明らかになってしまった。医療脱毛ならば、契約をしてもいいかと考えていた人も、二の足を踏むことはあるだろう。例えば、医療脱毛の契約を考えていたが、やめるという動きだ。
特にコース料金で脱毛をすることを難しいと感じる人は増えてくるだろう。万が一、大きな金額を前払いして、予想外のクリニック破たんによって大きな損失を被るリスクがあるため、コースではなく、都度払いの方が安心だと判断したとしても不思議ない。
従来、脱毛はコース料金で前払いを受けて、それで広告を出すなどして、人を集めるということが一般的だった。今後、こうした仕組みで人を集めづらくなるとしたら、脱毛を提供する施設の経営状態は不安定にある可能性がある。契約は十分な注意が必要だ。
ヒフコNEWSで伝えているように、美容医療の分野は2025年に業界ガイドラインが作られるなど、大きな動きが出てくるのが確実だが、脱毛の領域も激動期になりそうだ。