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信頼できる韓国美容クリニックは?情報が多いだけに迷う、公的情報、ウェブ、SNS、口コミで揺れる人気、メディカルコリアでも解決しない「選び方」の難題【編集長コラム】

カレンダー2025.3.15 フォルダー連載・コラム
ソウルに多数存在している美容クリニック。どう選ぶか。(写真/Adobe Stock)

ソウルに多数存在している美容クリニック。どう選ぶか。(写真/Adobe Stock)

 私はこの3月、韓国を訪れて美容クリニックなどの取材を行う予定だが、どの施設が良いクリニックなのかを選ぶのは難しいと実感している。

 日本でも同じだが、韓国も例外ではない。

 ただ、韓国の場合、国が医療観光のポータルサイトを準備し、案内所を設けているのは心強く感じる。

韓国への医療観光、4人の1人が美容医療

メディカルコリア。(出典/韓国保健産業振興院KHIDI)

メディカルコリア。(出典/韓国保健産業振興院KHIDI)

  • 韓国の医療観光情報→ 韓国保健産業振興院(KHIDI)が運営する「メディカルコリア」では、美容医療を含む韓国の医療観光全般に関する幅広い情報が得られる。
  • 医療観光の規模と実績→ 韓国の医療観光は2009年の医療法改正から本格化し、2023年までに累計387万人超が訪問。美容外科と皮膚科が合わせて約25%を占め、日本からも約50万人が訪れている。
  • 認証医療機関やファシリテーター情報→ メディカルコリアでは、認証医療機関や人気の美容クリニック(例:JK美容外科、バノバギ整形外科など)が紹介され、さらに医療コーディネートを行うファシリテーターのリストも公開されており、クリニックやサポート選びの参考になる。

 ポータルサイトは、「メディカルコリア」というサイトだ。これは日本でいう厚生労働省の関連機関である韓国保健産業振興院(KHIDI)が運営している。これを見ると、美容医療を含む韓国の医療観光全般に関する幅広い情報が得られる。

 韓国の医療観光というと美容医療の印象が強いが、このサイトを見れば、美容医療だけではないことが分かる。

 韓国が医療観光に力を入れ始めたのは、医療法が改正された2009年からで、それから16年が経過した。最初は年間6万人ほどが韓国を訪れていたが、コロナ禍前の2019年に約50万に達した。2023年までの累計で、韓国への医療観光に来た人は、228カ国から387万7342人だった。韓国は27年に向けて年間70万人を目標としている。

 美容医療に関連する美容外科の利用者は12.41%、皮膚科は14.35%で、全体では4人に1人の割合になる。皮膚科などには美容医療以外も含まれているが、おおむねこの程度と見なせるだろう。

 最も多い来訪者の出身は中国で、累計102万7680人に達する。次に多いのは米国の56万7364人、続いて日本の50万8145人。

 メディカルコリアを見ると、医療機関の認証制度についての説明や、認証を受けた医療機関の紹介もされている。医療制度や税金の還付といった細かな情報も提供されている。

 美容医療に関連する医療機関のリストも公開されており、参考になる。例えば、次のような施設が挙がっている。

 国内の認証を受けた医療機関はJK美容外科のみ挙がっている。

 さらに、2022年、外国人の来院が多かった医療機関は次の通り。バノバギ整形外科医院、BL美容整形外科、清潭女神美容外科、id美容外科、VIP美容外科、インチョンオラクル皮膚科、ユノ美容外科、WOOA美容外科だ。

 こうした医療機関のリストを見ると、有益な情報が得られる。

 このほかにも登録されている医療機関が網羅されていて、検索すると美容医療などの診療科別や地域別に医療機関を探すこともできるようになっている。ソウルだけで、登録されている医療機関は2000施設近くに達している。

 ファシリテーターのリストも公開されている。ファシリテーターは、医療機関を利用する際に案内や翻訳などを含めて、コーディネートしてくれる会社だ。一般の観光でいえば、旅行代理店のような存在になる。それらを一覧できる。もっともソウルだけでも1000を超えるので、選ぶのは一苦労だ。

情報の入手先で変わる美容クリニック選びの難しさ

韓国ソウル市の明洞。(写真/Adobe Stock)

韓国ソウル市の明洞。(写真/Adobe Stock)

  • ネット情報と公的情報のギャップ→ SNSや英語サイトなどで紹介される美容クリニックと、メディカルコリアなど公的な人気クリニックが一致しないことが多く、情報の出どころによって選ぶクリニックが変わる。
  • 情報の多様さと選択の難しさ→ ウェブサイト、SNS、知人の紹介などさまざまな情報源があり、それぞれ異なるクリニックが推されるため、どれを信頼すべきか判断が難しい。
  • 慎重な情報収集の必要性→ 美容クリニック選びには、多方面からの情報収集と慎重な検討が必要であり、今後現地取材を通じて、より良い選び方について考察を深める予定。

 メディカルコリアの情報は充実している一方で、それでも美容クリニック選びは簡単ではないことにも気付かされる。

 ウェブサイトの情報を検索すると、特に英語で検索すると感じられるが、さまざまな美容クリニックの名前がデザイン性の高いページで紹介されている。

 不思議なことに、そうしたページで紹介されている医療機関は、メディカルコリアで来院が多かったとされる美容クリニックと必ずしも同じではない。

 インターネット上で見た目の良いクリニックと、国が出している情報で人気のクリニックが一致しないことが分かる。最初にどこから探すかによって、選ぶ美容クリニックは当然変わるだろう。

 さらに、SNSを見てみると、お勧めの美容クリニックの名前がさまざま挙がってくる。それらを見ると、海外のページや国の情報に掲載されているクリニックとは異なる場合も多い。

 知り合いの医師のつてで紹介されたクリニックはまたこれらとも異なることもある。

 そうしたさまざまな情報の渦の中で美容クリニックを選び出すのは至難の業だ。

 私は3月に韓国でいろいろな視点から人に会ってくるつもりだが、このような難しいシチュエーションでどのように美容クリニックを選べばよいのか、考えてみようと思っている。

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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