
Sofwaveの施術風景。(写真/Sofwave medicalのYoutubeチャンネル)
顔などのたるみ改善を目的とした照射系施術においてソフウェーブ(Sofwave)の注目度が高まっている。
第113回日本美容外科学会(JSAS)の講演を通して得た印象を記す。
厚労省の承認も後押し

Sofwaveの施術風景。(写真/Sofwave medicalのYoutubeチャンネル)
- ソフウェーブの注目→ Sofwaveはたるみ改善を目的とした超音波照射機器で、2025年に厚生労働省の承認を受けた初の超音波照射器として注目。
- 照射方式の違い→ HIFUが1点集中の焦点式であるのに対し、ソフウェーブは超音波を平行に照射。真皮層の比較的浅い層に熱を与えて引き締め効果を狙う。
- 照射技術の比較→ レーザー(表層)、高周波(深層)、HIFU(SMAS層)と異なり、ソフウェーブは広く浅い層に熱を加える。
たるみ改善のための照射系の施術は種類が豊富だ。レーザー、高周波(ラジオ波、RF)、超音波のHIFU(ハイフ、高強度焦点式超音波治療)およびSofwaveなどが用いられている。これらは状況に応じて使い分けられている中で、たるみ改善のためのソフウェーブの効果を評価する意見を複数の講演で聞くことができた。
ソフウェーブは、皮膚引締め用超音波照射器「Sofwaveシステム」のことで、今年、厚生労働省の承認を受けたことで注目された。超音波照射器として初めて承認に至った機器となる。承認に合わせて日本美容外科学会(JSAPS、JSAS)、日本美容皮膚科学会(JSAD)の3学会が共同で適性使用指針を出した。
超音波を照射してたるみを改善するという点では、HIFUと同じだが、ソフウェーブの場合には、HIFUは虫眼鏡で光を集めるような原理で超音波を1点に集めるのに対して、ソフウェーブは超音波を平行に照射するところが異なっている。「SUPERB(同期平行超音波ビーム)」という言葉も使われている。比較的表面に近い真皮層に熱を加えることで、引き締め効果を狙った施術になる。
従来の照射系の施術と比べてみると、高周波は真皮の深い層、HIFUは皮下からSMAS(superficial musculo-aponeurotic system)、レーザーは表層などと使われていたが、より表層の広い範囲に熱を加えやすく、しかも引き締め効果が現れやすいという点から評価が高まりつつあると見られる。国の承認を得たというのは大きく、今後より普及していく可能性は考えられる。
RFも使い分けで存在感

高周波治療は、RF治療やラジオ波治療とも呼ばれる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- RF機器の多様化と普及→ オリジオX、デンシティ、ボルニューマ、ザーフなど複数のRF機器が登場し、冷却性能や電極方式の違いに応じて使い分けが進んでいる。
- RFの特性と優位性→ RFは広範囲に熱を与え引き締め効果をもたらすため、1点集中型のHIFUよりも汎用性が高い。
- 照射技術の進化と多様化→ レーザー、HIFU、RFの最適な使い分けに加え、韓国ではプラズマ技術との組み合わせも進展。
RFの存在感が増している。RFの先駆的な存在であるサーマクール(Thermage)の特許が2020年前後に切れたことで、機種としてオリジオX(Oligio X)、デンシティ(Density)、ボルニューマ(Volnewmer)、ザーフ(XERF)などが登場し、それらの冷却性能、電極が1つのモノポーラーか、2つのバイポーラーかなどの使い分けをしながら、利用が進んでいる。
RFは、電気を流してラジオ波を真皮などに伝える仕組みで、比較的広い範囲に引き締め効果を与えられるため、1点に集中して効果を出すHIFUよりも汎用性が高く、重宝されている印象を受けた。
ちなみに、高周波よりもRFと呼ばれることが増えているような印象がある。マイクロニードルRFが一般的になったことが影響しているのではないかと推測する。
このほかレーザーは表層の引き締め、HIFUは脂肪を減らす目的で使うといった意見が聞かれた。いずれの機器も熱を加えるという点では共通しているが、熱の強さや作用範囲に応じた最適な使い分けが進められていると考えられる。
ヒフコNEWSで韓国の医療展示会「KIMES(キメス)」について伝えたが、韓国ではピコレーザーによる引き締めという効果をうたう機種が展示されていたほか、RFに加えてプラズマを組み合わせる機種も展示されていた。プラズマは、ガスを加熱してイオン化し、そのエネルギーで脂肪や結合組織を加熱する技術だ。
今後さらに手段が増える可能性がある。たるみ改善の照射系施術は一層進化することが予測される。
