禁止されている美容医療の広告とは何?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」 Vol.1
近年、増え続ける美容医療に関する消費者トラブル。これらを踏まえ、厚生労働省は、2017年に医療に関する広告規制の見直しを含む医療法の改正を行い、18年6月1日に施行された。これにより、広告規制の対象範囲が単なる「広告」から「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」へと変更され、ウェブサイトなどによる情報提供も規制の対象に含まれることとなった。
どのような広告に注意すべきなのか?どのような広告を出している医療機関が危険なのか?禁止される広告ルールを見ていくと、意外と「目にしたことがある」と感じられる表現があるかもしれない。当てはまるとすれば、その医療機関はルールを適切に守れていないと言えるのかもしれない。
見極めるべく、3回に分けてルールを紹介するが、第1回は広告が禁止される事例を紹介する。
広告が禁止される事例
治療内容・期間の虚偽
「どんなに難しい手術でも成功させます!」
「どのような症例でも絶対に安全です!」など
治療を受ける本人の状態に応じて、適した治療方法は異なり、安全性についてもその人の状態によって左右される。このような、医学上あり得ない虚偽には注意が必要。
「即日インプラント治療!全て1日で終了します」
というように、定期的なメンテナンスを要する治療であるにもかかわらず、1日で終了するような記載も禁止されている。
データの根拠を明確にしない調査結果
「医療脱毛患者様満足度99%」
「インプラント手術成功率は97.5%です」など
データの根拠を明記せずに患者などの満足度や成功率のみを示しているケース。
患者満足度調査を実施している旨、当該調査の結果を提供している旨、または当該調査の結果の入手方法等については広告可能だが、当該調査の結果そのものについては、広告が認められていない。
医療広告ガイドラインを遵守しています!という誇大広告
文字の大きさ・色などで医療広告ガイドラインを遵守している旨を強調することは禁止されている。一見、「ガイドラインを守っているんだ!」と安心感を抱いてしまうが、ガイドライン遵守を大々的に掲げているところは危険な医療機関の可能性が。他の要件と同等の扱いで、遵守を誇示していない医療機関こそが、実はしっかりとガイドラインを守っている医療機関なのだ。
最上級の比較、他院との比較など比較優良広告
「本グループは全国に展開し、最高の医療を国民に提供している」
「県内一の医師数を誇る」
「美容外科手術において日本一」など
最上級の表現、優秀性について誤認を与える表現は、客観的事実であろうとも禁止されている。
また、他院と比較するような
「〇〇医院や〇〇クリニックよりも安く受診できる」
「美容外科手術の脂肪吸引術の件数において日本一の実績を誇る」なども禁止されている。
著名人との関係性を強調する広告
「モデルの○○さんが来院。ホワイトニングの効果を実感されました!」
「患者様第一号にサッカー選手の〇〇さんが来院されました」
というような、著名人との関連性を強調し、患者などに対して他の医療機関より著しく優れていると誤認を与えるおそれがある表現は、不当に誘引するおそれがあるため禁止されている。
施設について誇大、誤認させる広告
医療機関の名称として〇〇インプラントセンターなどの誇大施設表記は禁止されている。○○センターは、法令の規定や国の定める事業を実施する病院、診療所であるものとして、救命救急センター、休日夜間急患センターなど、一定の医療を担う医療機関である場合のみ表記可能である。
提供する医療内容について誤認させる広告
「医療脱毛3年間し放題」
「制限なく何度でも通える」など。
実際には毛周期(体毛が生え変わるサイクルのこと)などの関係で回数は限られるため、「何度でも通える」という表記は虚偽に当たる。
禁止医療広告の事例チェック!Vol.2へ続く。
参考文献
医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
こんな医療広告は危ない!?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」vol.2
https://biyouhifuko.com/news/column/1826/
限定解除要項と注意したい内容は?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」vol.3
https://biyouhifuko.com/news/column/1968/
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