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韓国ソウル、AIで進化する医療ツーリズム 韓国クリニックとつなぐ日本企業も 政府が方針発表、ソウル市は専用ウェブサイト立ち上げ KIMESと共に韓国政府やソウルもカンファレンス【編集長コラム】

カレンダー2026.3.23 フォルダー連載・コラム
国を挙げて医療ツーリズムを推し進める。政府機関なども出展している。(写真/編集部)

国を挙げて医療ツーリズムを推し進める。政府機関なども出展している。(写真/編集部)

 韓国のソウルでは、医療ツーリズムを成長産業と位置付けて、AI(人工知能)も活用して、再構築する動きを加速する。

 韓国の医療機器展示会KIMESでは、政府主導のカンファレンスMEDICAL KOREA 2026も開催され、国の方針についても発表があった。

ソウル市がウェブサイトを立ち上げ

ソウル観光財団。(写真/編集部)

ソウル観光財団。(写真/編集部)

  • AIで医療観光を強化→ ソウル市がAIチームを設置し、医療と観光をつなぐ仕組みを整備。
  • 多言語サイトで利用しやすく→ 日本語など複数言語に対応し、海外からの相談がしやすい。
  • 課題は既存仕組みとの連携→ クリニックごとの集客方法とAIをどう組み合わせるかが鍵。

 KIMESではソウル市のソウル観光財団が大きなブースを設けていた。医療ツーリズムを都市戦略の一環として位置づけていく。同財団を中心に医療ツーリズムの取り組みを強化している。

 担当者によると、特に注目されるのがAIの活用となる。同財団は新たに「AI革新チーム」を設置して、観光と医療の両方を利用しやすくするデジタルプラットフォームを構築していくという。

 まず進められたのが、ウェブサイトの整備と機能の拡充。既に韓国語、英語、日本語、中国語、ロシア語のそれぞれの公式サイトが立ち上がっている。

 日本語のサイトを見ると、既に90の医療機関がリストになっており、医療機関に直接メッセージを送り、相談できるようになっている。ここにAIをいかに組み合わせていくかが今後の課題の一つになる。

 この動きは韓国全体の政策とも連動している。Medical Korea 2026では、韓国政府が「AIパワード・グローバル・ヘルスケア(AI-Powered Global Healthcare)」を掲げた。韓国は医療にデータ活用を進めていくが、その起爆剤として医療ツーリズムでの活用を見込む。

 韓国政府は、医療分野におけるAI導入を「AX(AI transformation)」として推進し、データ標準化やインフラ整備、医療機関間連携の強化を進める。どの医療機関でも一定水準の診療を受けられるようにし、海外からの人々の受け入れを後押しする。

 一般論としては、韓国の医療機関は人を呼び込むルートがクリニックごとに異なり、リアルな口コミであったり既存のアプリであったり、さまざまなところから受診者を集めている。また、韓国の美容クリニックは多忙などで多数の問い合わせに対応しきれない可能性もある。こうした既に回っている体制に、いかに韓国の政府がリードして作り上げるAIなどの仕組みが組み合わされ、相乗効果を出せるかは課題の一つになる可能性がある。

韓国クリニックの利用を助ける動き

ケアクラフト最高経営責任者(CEO)の廣田瑞季氏。(写真/編集部)

ケアクラフト最高経営責任者(CEO)の廣田瑞季氏。(写真/編集部)

  • 日本企業が橋渡し→ 韓国クリニックと日本人をつなぐサービス。
  • アプリで相談→ 日本語UIやチャット対応でスムーズに受診できる。
  • 通訳や集客も支援→ 中立的な通訳やSNS支援で、安心と利便性を高めている。

 こうした流れの中で、日本からも韓国クリニックと日本をつなぐ動きが出てきている。

 KIMESでは、CareCraft(ケアクラフト)が出展していた。

 2023年設立の同社は、韓国に現地法人を設立し、正式な許可を得て、日本から韓国への医療機関の受診を希望する人の紹介を行っている。

 最高経営責任者(CEO)の廣田瑞季氏を中心に、同社は韓国美容医療サポート「aroom(アルム)」というアプリを展開し、日本人向けに最適化されたUIで韓国クリニックの予約や事前相談を可能にしている。チャットによる1対1のやりとりが可能で、ケアクラフトのスタッフが対応する。

 また、通訳の第三者提供も行う。廣田氏は、「クリニック側の通訳よりも中立的な立場でサポートを行うことで、受ける側の目線で意思決定を支えられる」と説明する。

 加えて、韓国クリニックの日本進出支援や、SNS運用、インフルエンサーの紹介といったマーケティング支援も行っている。

 日韓間の医療アクセスのハードルを下げる動きが活発になる可能性がある。

参考文献

Medical Korea 2026 Opens Global Dialogue on AI-Powered Healthcare
https://www.mohw.go.kr/board.es?mid=a20401000000&bid=0032&list_no=1489518&act=view

MOHW Minister Discusses Expanding AI in Public Healthcare with National University Hospitals
https://www.mohw.go.kr/board.es?mid=a20401000000&bid=0032&list_no=1489504&act=view

SEOUL MEDICAL TOURISM
https://medical.visitseoul.net/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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