こんな医療広告は危ない!?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」vol.2
近年、増え続ける美容医療に関する消費者トラブル。Vol.1(1〜7)に続いて今回も、どのような広告に注意すべきなのか?どのような広告を出している医療機関が危険なのか?見極めるべく、広告が禁止される事例(8〜11)と、広告可能事項の不適切な事例(12〜13)を紹介する。
※広告可能事項の不適切な事例とは、広告できる事柄であるものの、広告の表現が文字通り適切ではないことを言う。
科学的根拠が乏しい情報による誘導
「がんを発生させないためには催眠療法を利用したストレス原因の明確化が必要」など、科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず、特定の症状に関するリスクを強調することにより、医療機関への受診を誘導することは禁止されている。
「○○療法で期待できることは?悪性腫瘍の治療、ウイルス性疾患(肝炎、HIV、インフルエンザなど)の治療」など、こちらも科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず、有効性が高いと称する特定の療法、手術の実施を誘導しており、許されていない。
データの内訳が示されていない手術件数
「当院の○○手術の実績は2000件を超えています!」
「1990年から2020年の期間に○○手術は3000件実施」など
詳細の内訳が分からない手術件数の表記も禁止となっている。
件数を記す場合には、具体的に一覧表などで1990年〇〇手術53件、1991年〇〇手術45件、1992年……と明記することが義務付けられている。
口コミサイトから転載したものや医療機関スタッフなどによる体験談
「インプラント手術を受けました。静脈内鎮静法にて手術を行ったため、術中は痛みはもちろん、振動なども感じずストレスなく手術を受けることができた」
「ホワイトニングは少々予算がオーバーしてしまったが術前よりも綺麗になった(元サイト:口コミ.com)」
「当院の院長も実際に体験!効果を実感」
「先日、脂肪吸引手術を体験された患者様は、ウエストが○センチも下がりました。『こんなに理想の体型になれるとは思っていなかった』とおっしゃり、満足してご帰宅いただいた」など。
治療内容、効果に関する体験談の掲載も禁止されている。
口コミサイトから、治療内容や効果に相当する内容を転載したり、評価の高いものだけを抜粋して載せたりすることなどもNGだ。
医療スタッフによる体験談、患者などの代わりにスタッフが体験内容を記すのも禁止である。
ビフォーアフター写真
ビフォーアフター写真のみで説明が一切ないもの、治療内容、費用に関する事項、期間、回数、リスクや副作用などが抜けており説明が不十分なもの、複数の治療方法の写真に対し説明をまとめて記載することなどは禁止されている。
II.広告可能事項の記載が不適切な事例
標準費用+自由診療の旨が漏れていないか
「〇〇の治療 一部位20,000円」
このように、標準的な費用の明記とともに、公的医療保険が適用されない旨を記載することが求められている。
薬事承認された医薬品、医療機器をその承認の範囲で使用した自由診療については、治療に公的医療保険が適用されない旨、および標準的な費用を記載することで広告が可能である。
医療従事者の専門性資格
ホームページの院長の紹介文などに、卒業校や資格の有無について記載されている箇所がある。そこでまずチェックしたいのは、何の専門医であるか?だ。
× 日本口腔外科学会認定 専門医
○ 日本口腔外科学会認定 口腔外科専門医
× 日本歯科麻酔学会認定 専門医
○ 日本歯科麻酔学会認定 歯科麻酔専門医
逆に、〇〇学会認定が抜けている場合もある。
× 口腔外科専門医
○ 日本口腔外科学会認定 口腔外科専門医
× 歯科麻酔専門医
○ 日本歯科麻酔学会認定 歯科麻酔専門医
どこの学会に認定された何の専門医か?そこもチェックのポイントになる。
限定解除要項と注意したい内容は?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」vol.3
https://biyouhifuko.com/news/column/1968/へ続く。
参考文献
医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
禁止されている美容医療の広告とは何?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」 Vol.1
https://biyouhifuko.com/news/column/1672/
限定解除要項と注意したい内容は?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」vol.3
https://biyouhifuko.com/news/column/1968/
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