韓国美容医療の現場では、レーザーや高周波を使ったスキンケアの施術が進化しているようだ。
AMWC 2024では、韓国の美容医療分野で活躍する医師たちが最新技術を解説し、非外科的治療による肌の若返りや安全性への取り組みを共有した。
レーザーを短いパルスで照射しリスクを減らす
- 治療法→ 1064ナノメートル波長のQスイッチレーザーを用いたレーザートーニング
- 副作用リスク→ アジア人における中程度の過剰色素沈着が約10%の割合で発生
- リスク軽減技術→ 分割パルス技術により肌へのダメージを最小限化、安全性向上
韓国の皮膚科医であるジェホン・キム氏は、レーザー治療の進化について講演を行い、アジア人の肌特有の課題に対応する方法を紹介した。
同氏が取り上げたのは、1064ナノメートル波長のQスイッチレーザーを用いたレーザートーニング。過剰色素沈着を抑えつつ肌トーンを均一にする効果を狙うもの。
キム氏は、週1回のセッションを複数回行うことで効果を最大化する一方で、治療に伴う副作用の管理が重要だと指摘した。
特にアジア人では約10%の割合で中程度の過剰色素沈着が発生するリスクがあるが、新しい分割パルス技術によりこのリスクを抑えることが可能だという。この技術は、レーザーを短いパルスで照射することで肌へのダメージを最小限に抑え、安全性を高める効果があると述べた。
高周波と新しい治療アプローチ
- 高周波治療→ コラーゲン生成と肌再生を促進。温度や深度の調整により効果を最適化。
- 超音波との併用→ 深い組織の反応を引き出し、治療効果を長期間持続。
- 副作用管理→ 浮腫や炎症への対応が重要で、適切なアフターケアが必要。
同じく韓国の皮膚科医インスー・アン氏は、高周波を使った肌の若返り治療について講演した。同氏は高周波治療が、コラーゲン生成と肌再生を促進する能力を持ち、特に温度や深度を細かく調整することで効果を最適化できると述べた。
アン氏は、超音波との併用が治療効果をさらに高めると説明した。組み合わせ治療によって、単一治療よりも広範囲で深い組織の反応を引き出せるようになる。コラーゲンの増加や肌の弾力性向上を引き出して、治療効果を長く持続させると説明した。
これらのアプローチでは、フェイシャルマップを作成し、個人ごとに施術部位の深度とエネルギーを調整することで、パーソナライズされた施術が実現する。体重や肌質、年齢といった要因を考慮することで、最適な結果を引き出せると強調した。一方で、高周波治療においては浮腫や炎症が報告されており、適切なアフターケアを行うことで副作用を軽減できると説明。治療機器の価格の高さがクリニックの導入コストとして課題となっているものの、その高い効果は注目に値すると述べた。
韓国美容医療の現場では、レーザーや高周波、さらには超音波技術を融合させた新しい治療法が次々と登場している。これらの技術は、副作用管理や個別化治療の精度向上に寄与し、美容医療の発展につながると考えられる。