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医療脱毛トイトイトイクリニック運営の医療法人社団が営業停止、医療脱毛の苦境が表面化、東京商工リサーチが速報

カレンダー2025.2.1 フォルダー 国内

 東京都内で医療脱毛のトイトイトイクリニックを運営する医療法人社団の雪焔会が営業停止に至ったことが、2024年2月1日に東京商工リサーチによって報じられた。

売上高が増えるのに利益が出ない

脱毛サロンの倒産。過去最多を更新。(出典/東京商工リサーチ)

脱毛サロンの倒産。過去最多を更新。(出典/東京商工リサーチ)

 トイトイトイクリニックは東京都内の、新宿、池袋、原宿で医療脱毛などを展開していた。眉のアートメイクや糸リフト、ヒアルロン酸注入などの美容施術も手掛けており、医療脱毛を中心とした美容クリニックと位置づけられる。

 2月1日、同院に電話をかけても誰も出ることはない。

 同社によると、トイトイトイクリニックは、「家族にも勧められる医療脱毛」をコンセプトに、女性向けに施術していた。昨年経営破たんしたエステ脱毛のビー・エスコートも、母娘3代で使えるサロンを目指すと示していたが、皮肉にも利用を続けられない状況になっている。

 東京商工リサーチによると、アリシアクリニックが倒産した際に、トイトイトイクリニックを勧めるインフルエンサーの宣伝があったようだ。仮にこの投稿に従って契約をした人は、ダブルの被害を受けた可能性もある。

 運営法人は2020年2月期に5億6660万円だった売上高が、24年2月期には約12億8000万円に伸びていたという。それに対して利益は100万円以下だったとされる。東京商工リサーチは同法人が営業停止に至ったと伝えている。

 脱毛業界は、競争の激化によって利益が圧迫されているとみられる。コロナ禍で新規の利用が減る一方で、脱毛を手掛けるサロンやクリニックは増加し、スタッフの採用難による人件費上昇や広告費の高騰など、コスト増が大きな課題になっている。

複数回契約には注意が必要か

2024年12月10日、アリシアクリニックは破産手続開始決定を受けたと発表した。(写真/編集部)

2024年12月10日、アリシアクリニックは破産手続開始決定を受けたと発表した。(写真/編集部)

 2024年1月に医療脱毛大手のアリシアクリニックが経営破たんし、約9万人が被害を受けている。従来はエステ脱毛の経営破たんが続いていたが、同様の動きが医療脱毛でも起き始めており、脱毛を希望する人たちにとっては警戒すべき状況といえよう。

 コース料金で複数回を契約し、その後に施術を受け切る前にサロンやクリニックが経営破たんすると、返金が受けられないうえ施術も受けられなくなる。経営状況が悪化している事業者と契約を結んだ場合は、このリスクを負い込むことになる。

 脱毛を契約する際には、従来以上に慎重な検討が必要だろう。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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