ヒフコNEWSでは、品川美容外科を運営する医療法人翔友会が、糸リフトに使われる縫合糸とキット(以下、縫合糸製品)の特許侵害訴訟に敗訴し、69億円を超える損害賠償が命じられたと報じた。
当初、ヒフコNEWSが設定した回答期日までに同法人から回答は届かなかったが、その後、文書によるコメントが寄せられた。
提出された文書により、同法人が判決を不服として控訴したことが明らかになった。
同法人では、2025年4月24日付けの判決により、原告の株式会社ワイ・ジェイコブズメディカルの特許を侵害した縫合糸製品を使用していると認定され、損害賠償の支払いを命じられた事実について触れつつも、同法人では縫合糸製品を「これまで一切使用していない」と主張し、判決の事実認定に誤りがあるとして遺憾の意を示した。
その上で、既に控訴して反論書を提出していると説明した。
判決概要

品川美容外科が、韓国で開発された糸リフトの縫合糸とキットを不正に模造して使用していたとして製造元から訴えられ敗訴した。(出典/東京地方裁判所)
医療法人翔友会と理事長夫妻は、韓国の美容医療関連企業ワイ・ジェイコブズメディカルが開発・特許を有する縫合糸製品を模造し、顔のたるみ治療「糸リフト」に使用したとして、2019年に特許権侵害・営業秘密侵害で提訴された。
東京地方裁判所は2025年4月、翔友会が模造品を用いてワイ・ジェイコブズメディカルの知的財産権を侵害し、ワイ・ジェイコブズメディカルに総額69億4083万9890円(別途遅延損害金)の損害を与えたと認定し、同額の賠償を命じた。判決はまた、翔友会が「不正の利益を得る目的」で製品情報を第三者に開示し、模造品の製造に関与したと指摘した。
翔友会は全国39院を展開し、糸リフトの累計症例は2012年〜2025年で27万件超とされる。問題の糸リフトは「夢のリフト」「フェイスアップ」「美肌アモーレ」などの名称で提供されていた可能性がある。
ワイ・ジェイコブズメディカルは判決について「当社の知的財産権侵害が全面的に認められた正当な判断」と評価している。
