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美容医療の契約トラブルが急増、2024年度の傾向明らかに、無料カウンセリング後の高額契約が問題の一つ、国民生活センターが情報公表

カレンダー2025.8.10 フォルダー 国内
医療サービスの相談軒数が増加。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

医療サービスの相談軒数が増加。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 2024年度、全国の消費生活センターなどに寄せられた相談は91万件を超えた。中でも「医療サービス」に関する相談が、増加の目立つ分野として挙げられ、無料カウンセリング後に高額な契約を勧められるケースが問題として指摘された。

 国民生活センターが2025年8月6日に報告している。

「無料カウンセリング後の高額契約」を問題に

多くの相談が寄せられる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

多くの相談が寄せられる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 医療サービス関連→1万5648件(前年比54.8%増)。内容は「美容医療」「返金」「倒産」「解約」「高価格・料金」が上位。
  • 具体例→カウンセリングのみのつもりが高額施術契約を勧誘されたケース。
  • 年代・性別→20〜40代で半数以上。男性4290件、女性1万1136件(女性が2.6倍)。

 国民生活センターによると、2024年度の消費者からの相談件数は91.0万件となり、2023年度の89.3万件から約2万件増えた。

 2024年度の医療サービス関連の相談は1万5648件となり、前年の1万109件から54.8%増えた。相談内容はトップから順に、「美容医療」「返金」「倒産」「解約」「高価格・料金」が挙げられた。

 同センターは、一例として「カウンセリングだけのつもりで行ったら、高額な施術契約を勧められた」という相談内容を示している。美容医療領域で何度も言われていることだが、あらためて国民生活センターが問題視している可能性がある。

 医療サービス関連の相談は幅広い年代から寄せられていたが、20代から40代で半数以上を占めた。また、男性が4290件に対して、女性が1万1136件と2.6倍となった。

 一方で、エステティックサービスに関連した相談では、相談件数が9745件で、前年より減っていた。年代や男女比は、20代から30代で半数以上を占め、男性1232人に対して女性8412人で女性が多かった。

最近3年間の傾向と美容医療の相談増加

医療サービスの相談の中では、美容医療に関連した相談が多い。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

医療サービスの相談の中では、美容医療に関連した相談が多い。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 2024年度→エステ相談は引き続き減少する一方、美容医療相談が大きく増加。
  • 背景→美容医療市場の拡大と競争激化により、無理な契約で困る人が増加している可能性。
  • 今後の動き→2025年度から厚労省主導で契約を含む美容医療業界ガイドライン策定。相談件数の減少に期待。

 国民生活センターの従来の発表を振り返ると、2022年度はエステに関する相談が大きく増えていた。エステの相談件数は2021年度の6970件から2万2284件へと3倍以上になり、特に脱毛に関する相談が8割以上を占めた。解約の電話がつながらない、契約先が経営破たんしたのに請求が続くといったケースも多かった。

 2023年度は医療サービスの相談が増加。美容整形や高額契約のトラブルが目立った。一方で、エステの相談は依然として件数は多いものの減少した。

 それに対して2024年度はエステの相談が引き続き減る一方で、美容医療の相談が大きく増えた。

 美容医療は市場拡大が続く一方で、競争が激しくなっている。そうした中で、無理な契約が強いられ、困った状況に置かれる人が増えている可能性がある。2025年度からは厚生労働省がリードして、契約も含めた美容医療の業界ガイドラインの制定が進められている。こうした動きを受けて、今後、美容医療関連の相談が減っていくかが注目される。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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