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F1技術が美容医療の画像診断に、顔を2D&3D同時撮影、シミ、シワ、きめ、赤み、毛穴をまとめて数値化、スウェーデンHEXAGONグループ製の「AURA」都内で発表会

カレンダー2025.9.8 フォルダー 国内
顔の2D&3D画像を同時に撮影できるAURA。(写真/編集部)

顔の2D&3D画像を同時に撮影できるAURA。(写真/編集部)

 顔面の2Dと3Dの画像を一度に撮影できる機器「AURA(オーラ)」が日本に導入された。スウェーデンHEXAGONグループによる開発品で、販売代理店INFIXが2025年9月7日に都内ホテルで発表会を開催した。

F1で活用される技術を美容医療へ

発表会では2D&3D画像を同時に撮影できる意義などが語られた。(写真/編集部)

発表会では2D&3D画像を同時に撮影できる意義などが語られた。(写真/編集部)

  • 新製品の発表→2024年に美容医療向け3D解析装置「AURA」を発表
  • AURAの構造→18個のライトと13個の高解像度カメラを内蔵したディスプレイ型筐体
  • 主な特長→2D画像と3D形状を同時取得。光や角度による写りのブレを抑える構造

 開発したHEXAGONグループはスウェーデンに本拠を置く計測テクノロジー企業。2024年に発表したのがAURAだ。

 発表会に登壇したアルゴリズム担当のハッキ・カラマン氏は、「HEXAGONは、建物や航空機、F1マシンなどの“形”を正確に捉える技術に強みがある。これを美容医療の分野に応用した」という。

 AURAはディスプレイの形をした筐体に18個のライトと13個の高解像度カメラを内蔵。一度の撮影で2D画像と3D形状を同時に取得できるのが最大の特長だ。照明とカメラが多方面から顔をとらえるため、明るさや角度の違いによる写りのブレが起きにくい。

 顔や首を0.1mm単位で3D再現し、シワ、シミ、赤み、キメ、毛穴といった肌情報を自動解析してスコア表示。撮影からアルゴリズムによる自動解析、3D画像上でのスコア表示、PDFレポート出力までを短時間で行える。

 会場では、THE BEAUTE CLINIC(東京都渋谷区)院長の紀田基邦氏、まりもクリニック(名古屋市名東区)院長の牧野良彦氏、クロスクリニック銀座(東京都中央区)院長の石川浩一氏が、使い勝手や従来機との違いを紹介。

 講演では、ワンショットで前後比較の再現性が高いこと、体積差やベクトル表示で注入量やリフト方向の検討がしやすいこと、撮影条件を一定化しやすいことなどが利点として挙げられていた。

 また、従来のVISIAやVECTRAなどの画期的と評価されてきた撮影装置と比べても、2Dと3Dを同時にとらえられるのはこれまでにない特徴と評価されていた。

マギーさん登壇、F1の技術も応用

マギーさんが登場し、新しい技術の登場により変わる美容医療などをテーマにトークセッションが行われた。(写真/編集部)

マギーさんが登場し、新しい技術の登場により変わる美容医療などをテーマにトークセッションが行われた。(写真/編集部)

  • 発表会の登壇者→ファッションモデルで実業家のマギーさんが登壇
  • イベントの進行→MCは當間ローズさん。美容医療と画像診断機器のこれからなどをテーマにトークセッション
  • AURAの技術的利点→2Dと3Dの高精度可視化+アルゴリズムによる肌状態の数値化はメリット

 発表会には、ファッションモデルで実業家のマギーさんが登壇。自身のYouTubeチャンネル「MAGGY’s Beauty and the Speed」でスーパーカーの魅力を発信しており、AURAの背景にあるF1由来の精密計測とも通じる視点からトークを展開した。会場ではMCの當間ローズさんとともに、新しい画像診断機器の登場が美容医療をどう変えていくかといったテーマも取り上げられ、今後への期待が語られた。

 2Dと3Dで精密に顔の状態を可視化し、アルゴリズムで肌状態を数値化できることは、現場にとって大きな利点である。一方で、その数値をどう読み解くか、施術で数値差が出ない場合をどう説明するか、望ましい数値変化をいかに導くかなど、医師の評価・説明力および施術の技量が問われることも考えられる。

 なお、日本国内では、AURAは医療機器としてではなく、高性能なカメラとして取り扱われ、そのためイベント開催を含むプロモーションを行いやすい状況となっている。目に触れる機会が増えることも考えられ、美容医療を身近にする存在になる可能性もある。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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