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医療広告違反の上位は「美容注射」「顔整形」「GLP-1」、厚労省、GLP-1薬の適正使用と広告規制を議論、2023年対策後、GLP-1「通常出荷」だが承認外には注意促す

カレンダー2025.9.11 フォルダー 国内
厚生労働省。(写真/Adobe Stock)

厚生労働省。(写真/Adobe Stock)

 韓国でGLP-1受容体作動薬(GLP-1薬)が集中モニタリング対象になったと記事で伝えたが、日本国内でも国の委員会がGLP-1薬の問題を取り上げた。

 厚生労働省が2025年9月10日、「医薬品等行政評価・監視委員会」を開いて、この中でGLP-1受容体作動薬の使用状況や広告規制の現状を議論したもの。

 この中で、医療広告の違反の状況も取り上げられ、美容分野が突出している状況が示された。

需給は改善も、承認外使用にはリスク

米国食品医薬品局(FDA)が偽造品の存在を警告。特定の製品番号や製造番号が使用されている。(出典/FDA)

米国食品医薬品局(FDA)が偽造品の存在を警告。特定の製品番号や製造番号が使用されている。(出典/FDA)

 同委員会によると、GLP-1薬は一時的に需要急増で限定出荷が発生していたが複数回の国からの注意喚起により、現在はいずれの品目も「通常出荷」となり、糖尿病患者への安定供給は確保されている。

 2023年はいくつかの動きがあったことが大きい。第1として、厚労省は7月に医療機関の買い込みを控えるように要請し、卸販売企業に、糖尿病治療を行う医療機関に優先的に供給することを依頼した。

 さらに同省は11月、再び医療機関の買い込みを控えるよう要請するとともに、卸販売企業には、承認外目的で使用する場合には納入しないことを求め、対策を強化した。同11月、ガイドラインでも、卸販売企業に、対象以外に使用することが明らかであれば納入しないことを要請した。

 2023年12月に公表された「医薬品・医療機器等安全性情報(No.406)」でも注意喚起が掲載された。

 こうした対策が功を奏し、GLP-1薬が不足は解消している。

 今回の委員会では、あらためて自由診療の「GLP-1ダイエット」について問題視した。

 ダイエット目的での使用は承認外で、万が一、副作用が発生しても「医薬品副作用被害救済制度」の対象にならない。

 さらに、オンライン販売や個人輸入では偽造薬や汚染品のリスクもあると注意を促した。

美容分野で広告違反が突出

SNSや動画での医療広告も規制されている。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

SNSや動画での医療広告も規制されている。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 委員会では、医療広告規制違反の状況も報告された。2024年末までに確認された違反は合計5530件。そのうち美容分野は2203件と全体の約4割を占め、医療領域の中で突出して多いことが明らかになった。歯科が続いて多かったが、それでも1385件にとどまる。

 違反の内容では「美容注射」(18%)、「顔整形」(15%)に次ぎ、「GLP-1関連」が12%を占めた。

 委員会では、こうした状況を踏まえ、GLP-1ダイエットを含めた自由診療で、患者に十分に有効性と安全性などを説明し、理解と同意を得る「インフォームド・コンセント」の徹底も改めて確認された。

 自由診療でGLP-1薬が広がるが、今後、仮に重大な副作用が発生したときなどに、救済制度を利用できないことなどの問題を、あらかじめ理解しておく必要があるだろう。

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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