
エステで2件の事故が発生。(出典/消費者庁)
エステサロンでの機器施術による皮膚のトラブルが相次いで報告されている。
消費者庁が2025年10月9日、2件の事故が発生したことを報告した。
エステでの事故報告は減っていたが

機器にはリスクもある。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 凍傷の事故(静岡県) → 2025年5月13日、エステ店舗で機器を用いた施術を受けた利用者が左上腕に凍傷を発症。
- 熱傷の事故(東京都) → 同年8月7日、エステ店舗で機器施術を受けた利用者が右下腹部に低温II度熱傷を負った。
- 共通点と背景 → いずれも「機器を用いた施術」後に発症。皮膚への熱・冷却によるダメージが原因と見られる。
消費者庁は、美容医療を含む消費生活上の健康被害を定期的に公表している。
一つは、死亡に至るなどの「重大事故等」で、もう一つは、その他のものを「重大事故等以外」。
今回、公表された文書に、重大事故等以外として、エステで起きた事故2件が含まれていた。
1件目は、2025年5月13日、静岡県内のエステ店舗で機器を用いた施術を受けた利用者が左上腕に凍傷を発症したというもの。
もう1件は、同年8月7日に、東京都内のエステ店舗で機器施術を受けた利用者が右下腹部に低温II度熱傷を負ったもの。
いずれも「機器を用いた施術」後に発症した事案で、公表されている情報は限られているが、結果として皮膚のダメージを伴う事故である点が共通している。
熱傷はI度(表皮にダメージが及んだ状態、軽度の炎症)、II度(真皮までダメージが及んだ状態)、III度(皮下組織までダメージが及んだ状態)に分類される。今回の事故の一方はII度熱傷ということで、皮膚の深くまでダメージが及んだと見られる。
静岡県のケースでは、低温の熱傷ということなので、40~50度ほどの熱が長時間にわたって皮膚に当たっていたことでヤケドになったケースと考えられる。どういう機器かは分からないが、カイロのような比較的低温でも皮膚へのダメージが及ぶことがあるのは注意が必要だ。
一方は、凍傷ということで、こちらも詳細は分からないが、脂肪冷却などで冷却した結果として皮膚にダメージが及んだものと想定される。
高周波や脂肪冷却などエステでも提供

厚生労働省。(写真/Adobe Stock)
- HIFU通知後の変化 → 2024年6月の厚労省通知で医師免許が必要とされて以降、エステでのHIFU実施や事故は減少傾向。
- その他のリスク機器 → エステではレーザー、高周波(RF)、冷却、電気刺激(EMS)など多様な機器が使用されており、出力設定を誤るとヤケドなどの事故を起こすリスクがある。
- 利用時の注意 → 施術を受ける際は、機器の安全性や管理体制を事前に確認することが重要。
ヒフコNEWSが調べている範囲では、消費者庁の公表した事故の中で、エステでの事故は2月に公表された、2024年11月に起きた高知県でのヤケド以来となる。
エステでの事故は、2024年6月に厚生労働省がHIFU(高強度焦点式超音波治療、ハイフ)を実施するためには医師免許が必要だと通知を出して以降、HIFUの実施が大幅に減り、事故も減少したと考えられる。
一方で、エステで行われる機器による施術としては、レーザーのほか、高周波(RF)、冷却、電気的刺激(EMS)など、さまざまなタイプが存在している。これらの機器は、美容医療でも使用されており、専門的な知識と安全管理が求められる。エステの検索サイトで、それぞれのワードを検索すれば、複数ヒットする状況だ。これらの機器施術がエステで行えるかどうかは、グレーゾーンがある可能性もある。
一方で、いずれの機器も出力の設定を誤れば、事故を引き起こすリスクはいずれの機器でも存在している。今回の消費者庁のように、事故の報告も存在しており、エステでの施術を検討する場合には、施術の安全性、管理体制は特に慎重に確認することが大切だろう。
