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イケメン医師だけでは美容クリニックが続かない理由、SBC相川佳之氏が講演、「10年以内に日本最大の医療グループ目標」第3回日本美容医師会が都内で開催される

カレンダー2025.10.26 フォルダー 国内

 「SBCは、2035年までの10年以内に日本最大の医療グループになる」──。

 2025年10月25日、第3回日本美容医師会が都内で開催され、大会長を務めたSBCメディカルグループホールディングス(以下、SBC)代表の相川佳之氏が特別講演でこう語り、美容医療に求められる視点を示した。

覆面調査員でクリニックの情報を得る

SBCメディカルグループホールディングス代表の相川佳之氏。第3回日本美容医師会の大会長を務めた。(写真/編集部)

SBCメディカルグループホールディングス代表の相川佳之氏。第3回日本美容医師会の大会長を務めた。(写真/編集部)

  • 数値化 → クリニック運営も「血液検査のように数値で診断する」ことが必要とし、顧客満足度・スタッフ満足度を定量的に分析する姿勢を強調。
  • 組織の目標 → 「2035年までに日本最大の医療グループになる」ことを掲げ、美容医療だけでなく保険診療も含めた総合的医療体制を構築。
  • リーダーの心得 → 「組織で起こることはすべて自分の責任」との意識を持ち、慢心せずに成長を続ける姿勢を強調。

 相川氏は、グループの動向を踏まえ、美容医療の今後について、美容外科よりも美容皮膚科の市場が今後大きく伸びると見込んだ。その上で、「日本の美容医療の経験者は15%未満とされ、韓国の25%といわれているのと比べると伸びしろがあるのだろう」と述べた。

 今後の美容クリニック経営では、「医師の人気に左右されない仕組みづくりが重要」と強調した。「イケメン医師だから人気」といった属人的なモデルは一時的な成功にすぎず、長期的には持続しないという考えだ。

 相川氏は、「誰が担当しても同じ品質の医療を提供できる組織を作らなければ、持続的な成長はありえない」と語る。

 さらに、「血液検査で身体を診るように、クリニックの運営も数値で診断する必要がある。数値化できないことは改善できない。良い時も悪い時も、何が原因で起こっているかを突き詰める」と述べ、顧客満足度やスタッフ満足度を定量的に分析する経営手法を紹介した。

 SBCでは覆面調査員を活用し、過剰な施術提案がないかなどを継続的に検証することもあるという。相川氏は「クリニックを運営していく上で必要なのは結果を可視化し、改善を止めないこと」と説明した。

 組織づくりでは「最初から熱意のある人材を採ることが重要。やる気のない人を取っても教育では変えられない」と指摘。有望と考えた人を採用し、そこからさらに教育していく考え方が重要だと述べた。

 相川氏は、「SBCは、2035年までの10年以内に日本最大の医療グループになることを決めた。その目標に向かって取り組んでいく」と語り、リーダーが方向性を示し、組織全体が行動するのが重要と強調した。なお、ここでいう医療グループは、美容医療を含めた自由診療ばかりではなく、保険診療の一般の病院などを含めた医療グループを指している。

 リーダー像について「リーダーは、自分の組織で起こることはすべて自分の責任だというマインドを持つことが、一番大事。現状維持は衰退。慢心した瞬間に衰退が始まる」と話した。

 相川氏は、自分よりも上と思える人物と積極的に交流することで、視点を上にするように心掛けているという。「成功している人は行動が速い。スピードが速いことが大事」とも述べた。

 美容医療を担当する医師の外見が良いことは美容クリニックの印象を良くするためには重要な要素の一つ。ただ、そこだけに安住せず、改善に向けた努力を常に続けることこそがより一層重要だと考えられる。

「患者さま」から「お客さま」へ

相川佳之(あいかわ・よしゆき)氏。SBCメディカルグループホールディングス CEO(写真/村田和聡)

相川佳之(あいかわ・よしゆき)氏。SBCメディカルグループホールディングス CEO(写真/村田和聡)

  • 言葉の変化 → 多くの美容医療関係者が「患者さま」ではなく「お客さま」という表現を使用。美容医療が病気治療ではなく、美のニーズに応えるサービスであることを示している。
  • 美容医療の性質 → 自費診療を主体とするため、「医療」と「サービス産業」の両面を持ち、成熟が求められる分野となっている。
  • 今後の課題 → 顧客の本当の満足につながる施術をいかに提供できるかが、美容医療の信頼を左右する。

 相川氏の講演を含めて、日本美容医師会で登壇した多くの医師が「患者さま」ではなく「お客さま」という言葉を用いていた。

 美容医療は、病気を治しているわけではなく、美しくなりたい人々のニーズに応えていくという意味では、患者よりも顧客の方が自然だということだろう。美容医療が自費診療を主体とする以上、医療の枠を超えて「サービス産業」として成熟していくことになるのは必然的だ。

 美容医療が営業的な側面を強めすぎると、不必要な施術の押しつけにつながる恐れもある。それはトラブルの元にもなり得る。それはここ数年で大きな問題になってきたところだ。そこから抜け出し、いかに美容医療が、顧客の本当の満足につながる施術を提供していけるかは問われるところだろう。

 医師の見た目ではなく、顧客の必要とする要素を理解し、いかに仕組みとして良い施術を提供できるかどうかが、良い美容クリニックの条件になるのかもしれない。施術を受ける側も、そうした視点を持つことで、クリニック選びの参考になるだろう。

参考文献

創業25年で世界最大級に、美容皮膚科の台頭が転機、湘南美容クリニックのグループが今変えている仕組み、SBCメディカルグループホールディングス CEO 相川佳之氏に聞く Vol.1
https://biyouhifuko.com/news/interview/11826/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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