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針なし注入に広がり、ニキビ痕、傷跡、発毛、毛穴治療まで広がる、「ニードルフリージェットインジェクター(NFJI)」に注目、AMWC Japan 2025で講演が複数

カレンダー2025.11.13 フォルダー 国内
AMWC Japanの会場。(写真/編集部)

AMWC Japanの会場。(写真/編集部)

 通常、薬剤を皮膚内に注入するには針が必要だが、そもそも針を使わない注入手法が美容医療の現場に広がっている。

 ニードルフリージェットインジェクター(NFJI)と呼ばれる方法で、空気の力で薬剤などを噴射して皮膚の中に注入することができる。

 2025年11月8、9日の2日間にわたって開かれたAMWC Japan 2025では、NFJIに関する講演が複数行われた。

発毛や毛穴の改善などの効果も示される

AMWC Japanが2025年11月に開催。(写真/編集部)

AMWC Japanが2025年11月に開催。(写真/編集部)

  • 韓国での応用 → OZ Dermatologyのチャングン・オー氏が、リジュビネーションや傷跡、色素沈着治療など多様な症例を報告。
  • 発毛治療での利用 → CNPスキンクリニックのキム・ヒュンジョ氏が、NFJIでミノキシジルを注入し発毛を促す治療を紹介。
  • 日本での応用 → 池袋駅前のだ皮膚科・野田真史氏が、NFJIを毛穴の改善治療に応用。注入製剤で毛穴の目立ちを軽減する症例を発表。

 ヒフコNEWSでも伝えているが、NFJIは複数の機器が開発され、美容医療の目的で使用されている。

 典型的な用途として、ニキビ痕や傷跡の治療がある。皮膚の凹みを、空気を使って薬剤を注入して盛り上げたり、正常な皮膚の再生を促したりする効果がある。

 これらは針による注射でも治療は可能だが、電気や磁力、レーザーなどの力によって注入を細かく調整でき、連続で注入できる仕組みであることから、より緻密な治療が可能になる。

 昨年のAMWCでは、韓国の皮膚科医でOZ Dermatology院長のチャングン・オー(Chang-Keun OH)氏が、リジュビネーション、妊娠線や肉割れなどのストレッチマーク、傷跡、酒さ、色素沈着などの治療に応用していることを症例に基づいて紹介していた。今年も、オー氏が登壇し、NFJIの治療効果を同様に複数の症例を見せつつ紹介していた。

 韓国CNPスキンクリニックのキム・ヒュンジョ氏は、傷跡やニキビ痕のほか、ミノキシジルを使った発毛に使っていることも紹介した。毛髪の密度が減ってきた部分にミノキシジルを打ち込むことで、発毛を促している状況を示していた。

 また、日本の池袋駅前のだ皮膚科の野田真史氏は、毛穴の治療にNFJIを利用していることを紹介していた。毛穴が目立っているところに、製剤を打ち込むことで毛穴の目立ちを改善するという治療だ。症例写真を示して効果を説明した。

製剤による効果の模索が続く

AMWC Japanのプログラム掲示。(写真/編集部)

AMWC Japanのプログラム掲示。(写真/編集部)

  • NFJIの特徴 → 針を使わずに空気圧で製剤や空気そのものを皮膚へ注入できる新しいタイプの注入機器。
  • 使用される主な製剤 → ポリ乳酸系(PLLA・PDLLA)、核酸系(PN・PDRN)製剤、ヒアルロン酸、ミノキシジルなど多様な選択肢がある。
  • 開発の現状 → 新型のNFJI機器は2020年代以降に登場し、レーザー技術などを応用したモデルが増加。

 NFJIは、さまざまな製剤を打ち込むために利用できる。製剤だけではなく、空気を注入することも可能という特徴がある。

 新しい注入機器を利用することで、製剤の効果をどのように引き出すことができるのか模索が続いている。製剤は、ポリ乳酸系のポリ乳酸(ポリ-L-乳酸、PLLAやポリ-DL-乳酸、PDLLA)、核酸系のPN(ポリヌクレオチド)製剤 PN(ポリヌクレオチド)製剤やPDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)製剤、ヒアルロン酸など、選択肢が多い。ミノキシジルのような医薬品が使用されることもある。

 AMWCの講演を聞くところでは、実際の症例に使ってみて有効性や安全性を現場で確かめているところという印象がある。NFJIは、その歴史自体は古いが、レーザーなど新しい仕組みによる機器は2020年代以降に種類が増えており歴史が浅い。論文の報告も増えており、今後、より明確な効果の実証と安全性の確立が求められる。

参考文献

ミラジェット、レーザーで針なし注入、若返りや傷跡などに有効、バイオスティミュレーターなどとの組み合わせで滑らかな肌に、AMWC JAPAN 2024で韓国チャングオン・オー氏が講演
https://biyouhifuko.com/news/japan/9827/

【KIMES 2025レポート】針なしのジェット式注入機器が次々と登場、バイオスティミュレーターなどを目的の深さに均一に、MirajetやCUREjetなどが注目される
https://biyouhifuko.com/news/column/12003/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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