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自由診療の医療広告をめぐる訴訟が和解で決着、医療広告の違反が注目される中で裁判に発展、サカイクリニック62と消費者機構日本、再発防止でも合意

カレンダー2025.11.14 フォルダー 国内
消費者庁が調査。(写真/Adobe Stock)

消費者庁が調査。(写真/Adobe Stock)

 自由診療を提供したクリニックと消費者団体との間に行われていた訴訟が2025年3月に和解に至った。

 この和解について、消費者庁が2025年11月に報告した。

ネットやSNSの広告をめぐり訴訟

消費者庁が裁判の和解を報告。(出典/消費者庁)

消費者庁が裁判の和解を報告。(出典/消費者庁)

 この問題は、サカイクリニック62(東京都渋谷区)の医療広告をめぐり、適格消費者団体「消費者機構日本」が差止請求訴訟を起こしていたもの。

 同クリニックは、自由診療分野の施術についてウェブサイトやSNSで紹介していたが、同消費者団体は、8分野の広告が景品表示法が禁じる優良誤認表示に当たると訴えていた。

 ヒフコNEWSが既報のとおり、問題視されたのは「マクロファージ活性化療法」「テロメア注射」「エクソソーム点滴療法」などで、老化防止や疾患改善、不妊・がん治療まで効果があるかのような記載が並んでいた。

 しかし、これらは国内で薬事承認を得た治療ではなく、医学的エビデンスが乏しい点が以前から指摘されていた。

 消費者機構日本は、クリニックの広告が「効果を強く期待させ、治療選択を誤らせる恐れがある」として、表示の停止などを求めていた。

 提訴前には、質問書や申し入れ書を送付して改善を促したものの、表示が残り続けたため訴訟に至った経緯も、既報の通りである。

 その後、2025年3月28日、東京地裁で裁判上の和解が成立した。

 今回の和解では、クリニック側が既に対象広告を削除していることを双方で確認し、今後は医療効果や安全性について、客観的な根拠のない表示を行わないことを確約した。

 さらに、ウェブサイト上に「優良誤認表示があった」旨を1カ月間掲載し、一般消費者へ周知することも盛り込まれた。原告側はその他の請求を取り下げ、訴訟費用は双方が負担することで合意した。

自由診療広告への規制強化進む

医療広告の指導・措置等のための手順書で示されたプロセス。(出典/厚生労働省)

医療広告の指導・措置等のための手順書で示されたプロセス。(出典/厚生労働省)

 厚生労働省は、医療広告の違反を問題視し、監視や指導を強化している。

 同省の「医薬品等行政評価・監視委員会」は2025年9月、医療広告の違反について報告し、2024年末までに確認された違反は合計5530件で、美容分野が2203件と全体の約4割を占めたと説明していた。次いで多いのは歯科で、1385件だった。

 今回の訴訟は、医療広告のルールが問われた点で大きな意義を持つ。自由診療が拡大していく中で、安全性や有効性の確保に加え、治療内容やリスクが正しく伝えられることが求められる。今回の和解は、美容クリニックの広告を考える際にも参考になるものになるだろう。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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