
ドクターズコスメ拡大続く。(出典/矢野経済研究所)
国内のドクターズコスメ市場が堅調な推移を見せている。
矢野経済研究所が2026年1月に発表した調査によると、2024年度のドクターズコスメ総市場規模はブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比100.3%の1239億円となった。
エビデンス志向と美容医療需要が下支えしている。
一般市場との距離を縮める

ドクターズコスメ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- ドクターズコスメの定義→ 医師が開発・研究に関与している、または医療施設で販売・紹介される化粧品。スキンケア・メイク・ヘアケアなどを含み、医薬部外品も対象。
- 2024年度の市場動向→ 一部企業の業績低下により成長率は鈍化。市場規模は前年度比100.3%の1239億円。
- 医家向けルートの成長→ 皮膚科などの医療施設経由で販売される化粧品が好調。美容施術の増加、新規クリニックやEC展開が追い風に。
矢野経済研究所の定義によれば、ドクターズコスメとは、医師が開発や研究に参加している化粧品、もしくは皮膚科・整形外科・美容外科などの医療施設で販売または紹介されている化粧品を指す。医薬部外品も含まれ、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、その他製品が対象となる。最近では、高機能化粧品の一つのカテゴリーとして一般化粧品市場との距離を縮めながら拡大している。
ドクターズコスメは医療機関中心に取り扱われてきたが、現在ではドラッグストア、バラエティストア、ECなどでも扱いが増えているという。「専門性を備えた信頼感のある化粧品」として認知が進んでいると、同社は説明している。
今回の調査は2025年10月から12月にかけて、化粧品ブランドメーカー、原材料メーカー、商社、流通業者などを対象に、専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話ヒアリング、アンケート、文献調査を併用して実施された。
その結果、2024年度は市場を牽引してきた一部企業の業績が前年度を下回り、全体の伸び率は微増にとどまったことが示された。前年度比100.3%の1239億円となった。
ただし、同報告によれば、肌悩みの多様化やスキンケア意識の向上を背景に、科学的根拠を重視する消費者ニーズは確実に高まっている。
今回の調査で特に注目されるのが、医家向けルート化粧品の成長。医家向けルートとは、皮膚科医などの医療施設を対象とした販売経路を指し、医療施設の推奨により調剤薬局で販売される化粧品も含まれる。コロナ禍を契機に美容施術件数や患者数が増加し、医療機関専売化粧品への関心が高まったこと、新規美容医療施設の開設やECサイトを開設するクリニックの増加などが追い風となっている。さらに、医家向け化粧品を用いた肌悩み治療のケースが増えていることも市場拡大の一因となっている。
さらに矢野経済研究所は、2025年度のドクターズコスメ総市場規模を前年度比102.4%の1269億円と予測する。配合成分を意識した製品選択の広がりやスキンケア意識の向上などが市場にとってプラス材料は多いと分析。医家向けルートも引き続き好調に推移する見通しで、専門性と信頼性を備えたブランドへの支持は今後も強まると見る。
医療と日常スキンケアをつなぐ

美容医療と接点持つドクターズコスメ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 富士経済の調査→ ヒフコNEWSが2024年11月に報道した調査で、「メディカルコスメ」と「ドクターズコスメ」を区別して定義。
- 定義の違い→ メディカルコスメ=医療機関で販売される化粧品、ドクターズコスメ=医師監修で一般流通も行う製品。矢野経済研究所の定義は両者を包括。
- 市場予測→ 富士経済の予測でも、両カテゴリーともに市場拡大が見込まれている。
ヒフコNEWSでは、2024年11月に富士経済の調査も伝えている。
ここでは「メディカルコスメ」と「ドクターズコスメ」を区別しており、前者を主に医療機関で販売される化粧品、後者を医師監修で一般流通も行う製品と定義している。矢野経済研究所の定義は、ドクターズコスメを包括的にとらえていると考えられる。
富士経済の予測でも、メディカルコスメ、ドクターズコスメいずれも市場拡大が見込まれているとされていた。
美容医療の裾野が広がる中で、医療と日常スキンケアをつなぐ発想は強まってくると予想される。今後、一層、ドクターズコスメおよびメディカルコスメの存在感は高まっていくと見られる。
参考文献
ドクターズコスメ市場に関する調査を実施(2025年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4019
メディカルコスメとドクターズコスメ、美容医療人気で拡大
https://biyouhifuko.com/news/japan/9711/
