成人年齢18歳に、10代の脱毛エステや医療のトラブル相談が急増

ポイント

• 脱毛エステに関する相談が18歳～19歳に急増し、最も多い相談に
• 成人年齢が18歳に引き下げられたことで、10代の消費者トラブルが懸念されている
• 高額な料金や支払いへの不安など、脱毛や美容医療に関する相談が増加傾向

　18～19歳の消費者トラブルのうち、この1年で脱毛エステに関連する相談が急増し、相談内容の中で最も多くなっていることが分かった。医療関連の相談も増えている。2023年5月30日に国民生活センターが公開した報告書から明らかになった。

20歳以上に多かった相談が18、19歳でも

18、19歳の消費者トラブル相談件数、年次推移。（出典／国民生活センター）

　成人年齢が18歳に引き下げられ、10代の消費者トラブルが増える可能性がかねて指摘されているが、このたび国民生活センターが22年度の相談の実態について情報をまとめた。同センターは22年4月1日の成年年齢引き下げから1年が経過し、特に18歳、19歳の消費者トラブルの状況に注目して、詳細に解説している。

　同センターによると、もともと18歳、19歳の消費者トラブルは少なくなかった。18歳、19歳から寄せられた相談件数は、17年度以降、一貫8000件～1万1000件の間で推移。21年度いったん8536件と前年よりも減っていた。国民生活センターではこの減少の理由について説明していないが、コロナの流行した時期でもあり、そうした事情も関係した可能性もある。

　ところが、22年度、18、19歳の相談が9907件に再び増加した。22年度に増加した項目は次の通りだ。

契約当事者が18歳・19歳の22年度に件数の増加が見られた商品や役務などの上位。（出典／国民生活センター）

　美容に関連する項目としては、脱毛エステ、医療サービス、エステティックサービス（全般）が増加したのが分かる。

　同センターによると、21年度に比べると20代からの相談の特徴だった脱毛エステや医療に関する「美」にまつわる相談と、内職や副業などの「金」に関わる相談が22年度には18歳、19歳にも多く寄せられたという。

　特に「脱毛エステ」については、「倒産」や「返金遅延トラブル」に関する相談もあり、大幅に増加したという。