美肌の秘密はDNAにあり、資生堂が遺伝子解析でスキンケア提案
ポイント
- 資生堂は遺伝的特徴に基づいてカスタマイズされたスキンケアを提案する新サービスを開始
- 遺伝子検査では、肌の特徴やビタミンの調整機能などの情報を得ることができる
- 化粧品会社としては初めて、遺伝子情報の適切な取り扱いに関する認証を取得
資生堂は2023年7月14日、一人ひとりの遺伝的特徴に基づき、パーソナライズされたスキンケアなどを提案するサービスの開始を発表した。「Beauty DNA Program(ビューティー・ディーエヌエー・プログラム)」と名付けられたこのサービスは、7月21日から資生堂の店舗などで提供される。
一人ひとりの遺伝的な特徴に合わせた提案
シワ、シミ、肌質、血中のビタミン調整能力など、人はそれぞれ固有の遺伝的な特性を持っている。そのため、遺伝的特徴に応じたスキンケアを行うことは理にかなっている。
資生堂では1472人を対象に遺伝子解析を行い、遺伝情報と肌質との関連性を研究。そうして独自のアルゴリズムを、AI技術も応用しながら作り上げ、新しい遺伝子検査を開発した。
※遺伝情報は、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基が約30億個つながったDNAに由来する。このATGCの塩基配列が、人それぞれの体質などに影響を与える。
遺伝子検査は、自宅に郵送される検査キットで唾液を採取し、それを返送することで解析が行われる。検査結果は3つのカテゴリーに分かれた合計27項目から成り立っている。かさつき、シワやシミなどの要因に関連する「肌体質」、保湿力やバリア力などに関連する「肌レジリエンス力」、血中のビタミン調整能力に関連する「ビタミン調整力」である。
検査結果の判明後、美容の専門知識を持った担当者から、総合的なオンラインでのアドバイスを受けることになる。化粧品のケアに加えて、食事や睡眠、運動など、遺伝子検査の結果に合わせたさまざまな側面からの助言を受けられる。
テスト期間では96%が提案を受け入れる意向
22年からのテスト開始以来、319人が実際にプログラムを試したが、顧客からのフィードバックは圧倒的に好意的で、96%がこのプログラムを友人に勧めたいと回答。また96%が提案されたケアを取り入れたいとも回答していた。
同社では、遺伝情報は個人情報としての取り扱いに配慮が必要であることから、一般社団法人遺伝情報取扱協会が運営する「遺伝情報適正取扱認定スタンダード(認定番号202307045(01))」を化粧品会社として初めて取得した。
7月21日から資生堂の直営店「SHISEIDO THE STORE」での提供に加え、化粧品専門店の一部店舗で、9月以降には一部の百貨店店舗で本格展開する。希望小売価格は税込1万2000円。
同社は、2030年までに「PERSONAL BEAUTY WELLNESS COMPANY」を目指し、今回のようなオーダーメイドの体験を充実させていくという。
参考文献
資生堂「Beauty DNA Program」 7月21日(金)より本格展開
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003653
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