美容目的のサプリメントに変調あり、美容から健康へのシフト?富士経済の調査
ポイント
- 国内のサプリメントの市場規模は2023年に前年比からやや増えて1兆円強
- 脂肪対策や筋肉サポートの効果をうたったサプリメントが人気
- 美容効果をうたったサプリメントは人気だが、変調も見られる
美容効果をうたったサプリメントには変調が見られるようだ。基礎的な栄養素を取れるサプリメントに人気が移っている傾向があるという。富士経済が10月19日に調査結果を報告している。
脂肪対策や筋肉サポートが人気
同社ではサプリメントの市場調査を継続しており、最近では、次のようなカテゴリーのサプリメントが人気であると伝えていた。
- 脂肪対策
- 筋肉サポート
- ストレス緩和
- 睡眠サポート
このほかにも女性向けの更年期対策や膣内環境を整えるといった「フェムケア」のカテゴリーの人気、NMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)や腸活サプリの人気も指摘していた。
そうした中で、同社は今回、サプリメント市場の2023年の状況についてレポートしている。それによると、2023年は、2022年に比べて0.3%増の1兆678億円になるという。
ダイエットやボディメイクのニーズが高く、前述のような脂肪対策、筋肉サポートなどが人気になっている。2023年は、美容効果をうたったサプリメント、ビタミンやミネラルのサプリメントが人気になるという。
体に必要な栄養素に注目
こうした中で、美容効果をうたったサプリメントの市場は、2023年に、2022年と比べて7.1%増の571億円になるという。 これはコロナ禍が治まり、お店で購入する人が増えていることが関係してくるようだ。
さらに2025年は、2022年と比べて15.6%増の616億円になるという。サプリメント全体から見ると、金額は大きくはないが、伸び率が高いのが特徴だ。成分別では、コラーゲンやヒアルロン酸をはじめ定番成分が人気になっているという。
一方で、冒頭で触れたように、美容効果をうたうサプリメントには変調が見られるようだ。というのも、美容トレンドの変化や健康情報の発信の影響により、プロテイン、ビタミン、ミネラルなどの体に必要な栄養素を摂取する「基本」に注目するトレンドが強まっていると同社は指摘。美容効果のサプリメントではなく、基本的な栄養素のサプリメントを取る人が増えていく可能性もあるという。体が本来必要とする栄養素は健康に欠かせないものであるので、美容から健康へのシフトとも言えるかもしれない。また、最近は新しい注目成分の登場がないため、美容効果のサプリメントは停滞する可能性もあるようだ。
参考文献
サプリメントの国内市場を調査
https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=23113.pdf&nocache
ストレス緩和、睡眠サポート、膣内環境…これからはやるサプリメントや健康食品とは?
https://biyouhifuko.com/news/japan/1771/
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