男性の印象向上にメイクの力、コーセー調査で明らかに、メンズコスメ台頭する時代

ポイント

• 男性がメイクをすると、「信頼できる」「誠実な」といった印象が向上
• 20代の場合、ナチュラルメイクを施すことで素顔よりもスコアが改善
• 40～50代では、ベースメイクのみでも素顔より評価スコアが改善した

　男性用化粧品の利用が増える中、男性がメイクをすることで信頼や誠実さなど、男性に望まれる印象のスコアが上昇することが明らかになった。この報告は2023年12月19日にコーセーから報告された。

「信頼できる」「誠実な」印象など求める男性

素顔、ベースメイク、ナチュラルメイクの印象の違いを調べた。（出典／コーセー）

　コーセーでは、男性用化粧品の利用が増える一方で、男性がメイクをすることで印象がどのように変わるかを確かめた研究が少ないことに着目。このため、同社では、「Z世代」と呼ばれる20代と、「X世代」と呼ばれる40～50代の男性を対象に、メイクによる印象の変化を調査した。

　まず、10代から50代の男性1330人に、自分がどう見られたいかを、印象に関わる20項目から選んでもらった。20項目とは次の通り。

　20代は、「信頼できる」「意欲的な」「誠実な」を、40～50代は、「信頼できる」「誠実な」「おだやか」をそれぞれ重視していた。

　次に、20代19人と40～50代17人の合計36人の男性に、リキッドファンデーションのベースメイク、それに加え、アイブロウ、無色リップクリームも使ったナチュラルメイクを施してもらった。

　その後、128人の男女の評価者に、これら2つのグループの男性の素顔、ベースメイク、ナチュラルメイクを施した顔の画像を見てもらい、20項目の印象に関連したワードに基づいて5段階で評価してもらった。

存在感が徐々に高まる可能性

左はＺ世代で、右はＸ世代。上から素顔、ベースメイク、ナチュラルメイク。メイクによってスコアが上昇した。（出典／コーセー）

　結果として、20代が重視する「信頼できる」「意欲的な」「誠実な」の印象はナチュラルメイクで統計学的に有意に向上し、40～50代が重視する「信頼できる」「誠実な」印象はナチュラルメイクだけでなく、ベースメイクでも、統計学的に有意に向上していた。

　ヒフコNEWSで伝えているが、コロナ禍でオンラインミーティングが増え、自分の姿を見る場面が増えて、女性だけではなく男性も身だしなみへの意識を高めている。

　矢野経済研究所の報告によれば、男性の美容市場は23年度に前年比2.7％増の2158億円と拡大している。

　特に、男性化粧品のニーズが高まっている。百貨店やバラエティーショップの売り場が広がり、ECサイトでの特集ページが注目されている。男性の間で韓国コスメへの関心も高まり、CMでも男性をターゲットにした映像が頻繁に用いられている。

　日本の化粧品市場は約3兆円とされる中、男性の化粧品の市場は10分の1に満たないが、その存在感は徐々に高まっていく可能性もありそうだ。

参考文献

男性のナチュラルメイク※により、 「信頼できる」、「誠実な」などの対人印象が高まることを実証　 ～男性を対象にした調査により、印象に関わるメイク効果を可視化～
https://corp.kose.co.jp/ja/news/8383/

男性美容が再びの盛り上がり、コロナ規制解除きっかけ、メンズ韓国コスメにも関心
https://biyouhifuko.com/news/japan/2097/

美容医療に興味ある男性、利用しない理由の3位は「トラブル」、矢野経済研究所が調査
https://biyouhifuko.com/news/japan/4900/

化粧品の最新トレンド、外出機会が増えてポイントメイクとスキンケアが人気に、富士経済が発表
https://biyouhifuko.com/news/japan/3246/

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。