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エステのHIFUで右の口元に末梢神経障害、東京都内で重症1人、消費者庁が公表

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エステのHIFUで神経障害。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

エステのHIFUで神経障害。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 エステで実施されたHIFU(高密度焦点式超音波治療、集束超音波治療、ハイフ)により、末梢神経障害の事故が発生していたことが分かった。消費者庁が2024年5月30日に公表している。

口元に神経障害が発生

ハイフでは超音波が熱を発生させる。(出典/消費者庁)

ハイフでは超音波が熱を発生させる。(出典/消費者庁)

 ハイフは超音波を虫眼鏡のような原理で1点に集中させて熱を発生させる施術。元々がんの治療での効果が確かめられていたが、その後、美容目的で使われるようになった。

 最近では、ハイフを原因としたトラブルが問題になっている。今回、エステで行われたハイフにより次のような事故が発生した。

事故発生日 通知受理日 製品名等 被害状況等 事故内容 事故発生都道府県
令和5年2月16日 令和6年5月23日 その他のサービス(エステ) 重傷1名 店舗において、HIFU(ハイフ)を用いた施術を受けたところ、顔面右口角部に末梢神経障害の症状を発症する重傷。(注)HIFU:High-Intensity Focused Ultrasound 東京都

 23年2月に発生し、24年5月に報告されたもので、顔面の神経に熱によるダメージが及んだと見られ、これによって右の口元の感覚がなくなったり動かしづらくなったりする神経障害が発生した。

エステのハイフの方が出力が高いことも

 ヒフコNEWSで伝えているように、東海大学形成外科教授の河野太郎氏が厚生労働省の研究でハイフによる事故を調査している。その中間報告によると、ヤケドと並んで神経障害が多数発生していることが明らかになっている。神経障害は、感覚が鈍くなる感覚障害だけではなく、動かしづらい、まひといった運動障害も起きていることが分かっている。エステでのハイフは、美容クリニックで実施されているハイフよりも出力が高いケースがあることも明らかになっている。よりヤケドや神経障害などの合併症が起こりやすい可能性がある。

 今回の報告は神経障害で、後遺症が懸念される。ハイフはたるみやシワの改善を目的に実施されているが、長引く障害につながることもある。慎重に検討することが重要だ。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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