2024年10月4日、消費者庁は特定商取引法に基づき、通信販売会社である株式会社SUNSIRI(埼玉県川越市、以下SUNSIRI)に対して通信販売に関する業務の一部を3カ月間停止する命令を下したと発表した。
誇大広告と定期購入契約における表示義務違反
この処分は、SUNSIRIが美容クリームに関する広告で過大な効能を訴え、消費者を誤認させ、解約方法を適切に示さず定期購入契約を結ばせたことが問題視された。
消費者庁は同社に対して広告、申込み受付、契約締結の業務を3カ月間停止するよう命令した。契約者へ書面で通知を行い、消費者庁長官への報告および再発防止策の実施も求められている。さらに、代表取締役の榊原実氏にも同様に関連業務の開始を禁止する命令を下した。
SUNSIRIの美容クリームに関する広告は、効能を過大に強調し、消費者を誤認させるものであった。
例えば、問題となったのは、「塗って速攻?!深いシワも完全消滅!」という表現とともに、顔面にクリームを塗ってなでるような動作をするだけで、シワが即座に消える画像を示すという内容。これが誇張された表現であるとして問題視された。消費者庁が根拠となる資料の提出を求めたところ、実際には即効性や効果を裏付ける科学的な証拠は不十分であることが判明し、消費者庁はこれを誇大広告と判断した。
同社が提供する定期購入契約に関して、解約手続きに関する表示が不明瞭で、消費者にとって重要な情報が隠されていた。
消費者庁によると、これらの行為は特定商取引法に違反すると判断されたため、SUNSIRIに対し、先に示した通り、通信販売に関連する広告、申込受付、契約締結の業務を24年10月4日から25年1月3日まで停止するよう命じた。この期間中、同社は新規の通信販売に関連する業務を行うことができない。
社長も行政処分、再発防止策も求められる
同時に、同社代表取締役である榊原実氏にも業務停止命令が下された。榊原氏は、業務停止期間中、新たな通信販売業務を開始したり、それに関連する役職を引き受けることが禁止された。
今回のケースでは、広告に示された美容クリームを塗ることでシワが一瞬で消えるといった主張には根拠がなく、それに影響されて美白クリームを購入してしまうことは避けるべきだった。さらに、購入すると解約が困難で、経済的な被害につながる恐れもあった。通販では美容関連の商品が販売されることも多いが、このような落とし穴があることを認識しておくことは重要だろう。