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植物由来スキンケア、シミや赤みなど、研究で示された実力とは?ポリフェノールやフラボノイドなどが効果につながる、国際的な研究グループが報告

カレンダー2024.12.20 フォルダー最新研究
植物由来アイテムによるスキンケアの実力は?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

植物由来アイテムによるスキンケアの実力は?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 植物由来成分を含むスキンケア製品の効果と安全性について、2000年から2024年までに発表された8つの研究を総合的に分析した結果が注目された。

 肌の見た目や質感に大きな影響を及ぼす効果が明らかとなった一方、改善の余地も指摘されている。

シミや赤みを改善する植物由来の力

植物由来の成分はさまざま。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

植物由来の成分はさまざま。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)植物由来の成分はさまざま。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 今回の研究で注目したのは、植物由来の成分を含むスキンケア製品。これらの成分は、肌の老化を防ぎ、美容効果をもたらす可能性があると指摘されている。

 例えば、サポニンやフラボノイド、ケルセチン、ポリフェノールなどの抗酸化作用を持つ成分が挙げられている。これらは紫外線や環境汚染による酸化ストレスを軽減したり、コラーゲンやエラスチンの分解を抑制したりして、肌の弾力を保つ効果が報告されている。

 また、肌の保湿に重要な成分として、アミノ酸や乳酸、フィラグリンといった天然の保湿因子が知られる。これらの成分は、植物エキスによって促進されたり、さらにヒアルロン酸などの成分も併せて肌の水分保持力を高めたりすると提唱されている。植物由来のスキンケア製品は、これらの成分を通じ、肌の乾燥や弾力低下を軽減し、健康的な肌を保つ手助けをしてくれる。

 一方で、植物エキスの効果は成分の種類や製品の形態、さらに使用者の肌質によって異なる場合がある。そのため、自分の肌に合った製品を選ぶことが重要になる。また、現在の研究では植物由来製品の安全性が高いとされるが、その効果や作用機序をより詳しく解明するため、さらなる研究が必要とされている。これらの製品は、適切に使うことで、肌の老化対策として有効な選択肢となるとみなされる。

 これらの成分は、単一エキスを使用した製品から複数の植物成分を組み合わせた複合製品に至るまで、幅広く活用されている。製品の形状としては、クリームや乳液が主流だ。

 研究グループは、こうした植物由来のスキンケア製品の実力を確かめるために、2000年~24年までの研究を基に検証を行った。結果として8つの研究が抽出されて、これらを統合的に分析することで、有効性や安全性についての情報を整理した。

 効果の具体例として、メラニン量を減少させることでシミを軽減する効果が有意に確認された。また、赤みに関しても効果があったが、これは大きな効果を示すことが分かった。これらは、ポリフェノールやフラボノイドの抗酸化、抗炎症作用が背景にあると示された。

 また、肌の潤いに関しては短期間の使用で効果が確認されたが、長期間の使用では顕著な改善は確認されなかった。

 植物由来スキンケア製品の使用により、肌のハリや弾力については、短期間の使用(8週間以内)で顕著な改善が確認されたが、長期間(8週間以上)では統計的な有意差は確認されなかった。

安全性の高さ確認

安全性が示された。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

安全性が示された。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 課題としては、肌からの水分蒸発(TEWL)を抑える効果は確認されなかった点が課題として指摘された。

 安全性の高さは、植物由来スキンケア製品の重要な特徴として挙げられた。8件の研究中、6件では副作用が一切報告されず、残りの2件では副作用の明確な記録がなかった。これらの結果は、植物成分が肌に優しい特性を持つことを裏付けている。

 こうした研究結果は、植物由来のスキンケア製品を使うときに参考にすることができる。

 もっとも、現実の世界では、植物性由来の化粧品でトラブルが起きているのも事実であり、研究を参考にしつつも商品の出所が不明のものなどは避けるような注意も必要だろう。

参考文献

Amini N, Osterlund C, Curpen J, Lafon-Kolb V, Richard T, Visdal-Johnsen L. Phytoestrogens as Natural Anti-Aging Solutions for Enhanced Collagen Synthesis in Skin. J Cosmet Dermatol. 2024 Dec 9:e16719. doi: 10.1111/jocd.16719. Epub ahead of print. PMID: 39654355.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39654355/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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