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「EMSCULPT NEO」ボディースカルプチャーが6カ月間効果持続

カレンダー2023.5.11 フォルダー最新研究

ポイント

  • 非外科的な痩身治療が、体型改善のために世界的に人気を集めている
  • HIFEMとRFを組み合わせたEMSCULPT NEOの体型改善の効果が検証された
  • 実際の施術を受けた人では半年間効果が保たれ、9割以上が満足していた
非外科的な痩身治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

非外科的な痩身治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 日本を含め、世界的に痩身を目的とした非外科的な治療が盛んになっている。その一つが、高密度焦点式電磁波(HIFEM)と呼ばれる治療法で、日本でも新しい方法として採用され始めている。また、HIFEMに高周波(ラジオ波、RFとも呼ばれる)を組み合わせる方法も開発されている。今回、HIFEMとは何か、特に高周波と組み合わせた新しい製品にどのような効果があるかを見ていく。

組み合わせで治療時間を短縮

非外科的な痩身治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

非外科的な痩身治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 体型を整えるための施術はボディースカルプチャーやボディーコントゥアリングと呼ばれ、国内外で施術が増えている。その方法には、脂肪を冷却する方法や高周波を当てる方法、ハイフ(HIFU)、低レベルレーザー治療などさまざまな選択肢がある。これらの方法は、体重を減らすのが目的ではなく、脂肪の一部を減らして、体型を整えるのが目的となる。

 ボディ・スカルプティングやボディ・コントゥアリングは、世界的に人気が高まっている施術である。ヒフコNEWSでも世界の美容医療トレンドについて伝えたが、その中でもこれらの施術の人気が指摘されていた。これらの施術には、脂肪冷却、高周波、ハイフ(HIFU、集束超音波治療)、低出力レーザー治療(LLLT)など、いくつかの選択肢がある。これらの方法は、減量目的ではなく、余分な脂肪を取り除き、体型を改善するために行われる。

 体型を改善するためには、筋肉を鍛え、脂肪を減らすことが必要である。筋肉を鍛える方法としては運動があるが、電気や磁気を利用して筋肉を鍛える技術が開発されている。美容医療において、高密度焦点式電磁波(HIFEM)と呼ばれる方法が体型改善のために普及している。BLTエステティック社が開発した「エムスカルプト(EMSCULPT)」は、HIFEMを利用して筋肉を刺激し体型を整える製品である。

 BLT社が、HIFEMと高周波を組み合わせて、筋肉量を増やし脂肪を減らす「エムスカルプトネオ(EMSCULPT NEO)」という新製品を開発した。従来は、これらの治療を別々に行う必要があったが、組み合わせることで治療時間を短縮できる。

 米国メリーランド州ボルチモアのレーザー・スキン・アンド・ベイン研究所による研究により、この効果が報告された。これは2022年3月のプラスティック・アンド・リコンストラクティブ・サージェリーに掲載された。

 この論文のアウトラインは次の通りだ。72人が研究に参加し、週に1回30分の施術を3週間受けてもらった。ただし、参加者をランダムに2つのグループに分け、一方のグループ(48人)には実際の施術を、もう一方のグループ(24人)には偽の施術を行った。施術前と施術後1、3、6カ月に超音波画像を撮影し、皮下脂肪や腹直筋の厚さの変化を確認。また、施術を受けた人の満足度や快適性も評価した。

脂肪が減り、筋肉が増えた

脂肪。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

脂肪。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ポイントは、3週間の施術により、手術をせずに腹部の筋肉量を増やしながら腹部の脂肪を減少させたこと。

 具体的には、実際に施術を受けたグループでは1カ月後、腹部の脂肪が平均20.5%減り、腹部の筋肉の厚さが21.5%増えた。3カ月後、腹部脂肪が28.3%減り、筋肉の厚みが24.2%増え、さらなる改善が見られた。治療後6カ月の時点でも、アクティブ群では改善が維持されました。一方で、偽の施術を受けたグループは有意な変化は見られなかった。効果を示す写真を論文から引用した。

 94%が治療結果に満足し、副作用は報告されなかった。

 研究グループは、「相乗効果や治療を受けた人の評価についてはさらなる研究が必要」と言うが、今回の結果からは施術の効果としては有望な結果が確認されたと言えそうだ。なお、この新規デバイスは、2019年12月に食品医薬品局(FDA)の認可を取得した。日本でも実施する施設はあるが、このような研究結果を参考になる。

参考文献

Kinney BM, Lozanova P. High intensity focused electromagnetic therapy evaluated by magnetic resonance imaging: Safety and efficacy study of a dual tissue effect based non-invasive abdominal body shaping. Lasers Surg Med. 2019 Jan;51(1):40-46. doi: 10.1002/lsm.23024. Epub 2018 Oct 10. PMID: 30302767; PMCID: PMC6585690.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6585690/

Radiofrequency Heating Plus Electromagnetic Stimulation Reduces Belly Fat and Increases Muscle
https://www.newswise.com/articles/radiofrequency-heating-plus-electromagnetic-stimulation-reduces-belly-fat-and-increases-muscle

Samuels JB, Katz B, Weiss RA. Radiofrequency Heating and High-Intensity Focused Electromagnetic Treatment Delivered Simultaneously: The First Sham-Controlled Randomized Trial. Plast Reconstr Surg. 2022 May 1;149(5):893e-900e. doi: 10.1097/PRS.0000000000009030. Epub 2022 Mar 9. PMID: 35259147; PMCID: PMC9028295.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35259147/

EmsculptNeo(BTL aesthetics)
https://btlaesthetics.com/en/for-providers/emsculpt-neo-providers

美容整形手術の最新動向、脂肪吸引が豊胸術を抜き、世界で最も人気のある美容整形手術に
https://biyouhifuko.com/news/world/925/

FDAが非外科的痩身治療にアラート、リスクとベネフィットの理解が大切
https://biyouhifuko.com/news/world/911/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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