ポイント
- 肌質の管理は「色むら」「表面の滑らかさ」「ハリ」「ツヤ」の4要素で捉える。
- 9カ国の専門医12人が、要素別に治療を組み立てるコンセンサスをまとめた。
- 「ハリが基本」「併用治療が標準」をポイントとして掲げている。

肌質の管理はどうすれば?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
肌質の管理を「色むら」「表面の滑らかさ」「ハリ」「ツヤ」の4要素に分けて捉え、それぞれに適した治療を選ぶための臨床アルゴリズムが示された。
アルゴリズムは、9カ国12人の専門医による国際的な委員会がコンセンサスをまとめたもので、2025年8月、美容皮膚科学誌で発表した。
見た目の鍵を握る「肌質」

肌質をよりよくする。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 肌質の4要素→ハリ(弾力・保水)、トーン均一性、表面の滑らかさ、ツヤ(明るさ)。
- アルゴリズムの特徴→単独治療と併用療法を段階的に組み合わせ、個別性の高い治療計画を可能にした。
- 安全原則→①事前評価 ②肌の保護 ③ゆっくり導入 ④PIH(炎症後色素沈着)回避。
今回のアルゴリズムは、皮膚科や美容医療の専門家12人(9カ国)が参加し、コンセンサスが作られた。
肌質は、「弾力や保水性(ハリ)」、「色むらの少なさ(トーンの均一性)」、「表面の滑らかさ(サーフェスの均一性)」、「肌の明るさ(ツヤ)」の4つの要素で構成されるとされる。肌質の4要素(EPC、emergent perceptual categories)と表現されている。
各メンバーは、4要素ごとに、実際の診療で用いる治療法の妥当性を評価して、意見を集約し、見直しを繰り返して、最終的なコンセンサスにまとめた。
アルゴリズムの特徴は、4要素に対して「単独治療」と「併用療法」を段階的に組み合わせることで、個別性の高い治療計画を可能とした点にある。
安全な治療のための原則も明示されている。「事前に評価すること」、「肌を保護すること」、「ゆっくりと導入すること」、「炎症後色素沈着(PIH)を避けること」という4つの注意点を示している。論文では、肌の状態や光老化の程度、肌の色の濃さへの配慮を含めた総合的な管理を求めている。
「併用治療」を前提に、要素に応じた選択を

肌の層に合わせた治療選択肢がある。(出典/J Cosmet Dermatol. 2025;24 Suppl 4:e70359.)
- 「ハリ」起点の管理→皮膚だけでなく皮下組織にアプローチし、色むらや質感改善にも波及効果。
- アプローチ→単独治療ではなく、複数治療を意図的に組み合わせることが重要。
- 研究の限界→比較試験による裏付けは乏しく、資金提供元(メルツ・エステティックス)の影響に留意。
肌の4要素は互いに影響し合うが、特に注目されるのが、「ハリ」の管理を起点とする考え方が示されている。
ハリは、皮膚そのものだけでなく、皮下の支持組織にまでアプローチすることで、色むらや質感といった他の要素にも波及効果をもたらすと指摘している。
超音波やスキンブースター系のフィラー注入を用いるほか、フラクショナルレーザー、RF(高周波)やヒアルロン酸フィラーなどを補助的に組み合わせることにより、多角的にアプローチすることを提案している。ハリの改善は、他の要素にも波及効果があるとされた。
表面の滑らかさの治療には、フラクショナルレーザーやRFマイクロニードリング、スキンブースター系のフィラー注入、マイクロボツリヌストキシンなどが有効とされた。質感や毛穴、細かなシワへの対応のためだ。
色むらの均一性の治療は、色素性の変化にはQスイッチレーザーやピコレーザー、IPL(光治療)、浅層のピーリング治療が有効とされた。赤みや血管の拡張にはレーザーやIPLのほか、マイクロボツリヌストキシンなどが有効とされた。
肌の明るさの治療には、他の要素の治療を進めた上で、スキンブースター系のフィラー治療やマイクロボツリヌストキシンなどを組み合わせることが推奨された。
エクソソームや成長因子などの新しい技術は、現時点でのエビデンスが不十分とされ、推奨からは除外された。また、著者らは治療前後の標準化された撮影も重要だと指摘している。
なお、アルゴリズムは専門家の合意に基づくものであり、現時点では厳密な比較試験の裏付けは乏しい。研究には美容医療機器などを製造販売するメルツ・エステティックス(Merz Aesthetics)から資金提供がなされており、中立性に限界がある点に留意する必要がある。
今後、一般的に参考になるガイドラインが整備されて、標準的な美容医療が実現されることが期待される。
参考文献
Kerscher M, Goldie K, Hirano C, Lowe S, Mariwalla K, Moore M, Park JY, Sajic D, Sattler S, Spada J, Vachiramon V, Viscomi B. How to Treat Skin Quality: A Consensus-Based Treatment Algorithm and Expert Guidance. J Cosmet Dermatol. 2025 Sep;24 Suppl 4:e70359. doi: 10.1111/jocd.70359. PMID: 40847902.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40847902/
目元のレーザー治療、失明などの合併症を防ぐ、ガイドラインが示される、目のシールドなどポイント示す、米国の皮膚科医や眼科医の専門家グループが美容皮膚科誌で発表
https://biyouhifuko.com/news/research/13785/
