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思春期の円形脱毛症、9割失われていた髪が1年で再生の結果に、7割の人に効果を現した薬の試験結果が報告、外見の問題が心に影響する免疫関連の病気

カレンダー2025.10.28 フォルダー最新研究
円形脱毛症。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

円形脱毛症。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 円形脱毛症という、髪の毛が丸く抜けてくる病気は、若い時期に発症することがある。この病気に対して、高い治療効果を持つ薬の報告が発表された。

 米国の製薬企業イーライリリーが2025年10月24日、重い円形脱毛症に悩む10代の思春期の人を対象にした試験結果を伝えたもので、外見に関わる病気の治療として注目される。

免疫が毛根を攻撃し毛髪が抜ける

飲み薬で治る?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

飲み薬で治る?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 発症頻度 → 円形脱毛症がどの程度発症するかは明確ではないが、米国の調査では10万人当たり約90人が新たに発症しており、増加傾向が報告されている。
  • 病気の特徴 → 免疫異常により毛根が攻撃され、頭髪・眉毛・まつげが抜ける。大人に多い傾向があるが、10代など若年層でも発症が見られ、心理的影響も大きい。
  • 新しい治療薬 → 米イーライリリー社が12〜17歳を対象に、バリシチニブ(商品名オルミエント)の第3相臨床試験を実施。1日1回の内服を1年間続け、安全性と有効性を確認する段階に入っている。

 ヒフコNEWSで2023年に伝えているが、円形脱毛症がどれくらいの人に発症するかはよく分かっていないところがある。2016年~19年にかけて米国で行われた調査では10万人当たり新たに発症する人が90人程度で、やや増える傾向にあることが報告された。その他の調査では、1万人当たり20人程度の人が円形脱毛症に悩まされているとも報告されている。

 円形脱毛症は免疫の異常によって毛根が攻撃されて毛髪が抜ける病気だ。髪の毛のほか、眉毛やまつげも抜けてくる。円形脱毛症は、大人で多いという傾向はあるが、10代やそれよりも若い時期に発症する人もいる。思春期は自己肯定感や対人関係に深刻な影響を及ぼすことも考えられる。

 こうした中で、円形脱毛症の治療効果が期待される薬が登場している。米国イーライリリーは、12~17歳を対象とした試験結果を発表した。これは、発売に向けて安全性や有効性を確認する最終試験、第3相臨床試験となる。1日1回の飲み薬であるバリシチニブ(商品名オルミエント)を1年間続けるという試験だ。

毛髪の回復、見た目と心に効果

研究が進められている。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

研究が進められている。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 治療効果 → 試験開始時に頭髪の約9割を失っていた参加者のうち、1年後には71%が頭髪の8割以上を回復し、約4割は9割以上が再生した。眉毛・まつげも半数超で再生が確認された。
  • 副作用 → 主な副作用はニキビや風邪症状など軽度で、安全性が高い結果となった。
  • 今後の展開 → イーライリリー社は成人向けに続き、10代への適応拡大を申請予定。さらに6〜12歳対象の臨床試験も進行中。

 試験の開始時点で、参加者は平均して頭髪の約9割を失っていた。しかし治療から1年後には、71%の患者で頭髪が8割以上まで回復し、約4割の患者では9割以上が再生した。眉毛やまつげについても、半数を超える患者で再び生えそろったという。

 副作用は軽く、主にニキビや風邪症状などにとどまった。

 この結果は、医学的な治療効果は元より、見た目の回復を通じて心理的な負担を軽くしてくれる点でも意義は大きいと考えられる。

 イーライリリーでは既に成人向けには承認済みで、今回のデータをもとに10代への適応拡大を各国で申請する予定となる。また、6〜12歳を対象とした臨床試験も進めている。

 こうした見た目の改善は、医療と美容の両面から注目される動きとなりそうだ。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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