
二の腕をキレイに。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
二の腕や太ももに現れる細かなブツブツ。「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」という名前は知らなくても、悩んだ経験がある人は少なくない。
思春期に多いとされる一方で、大人になっても続くケースは珍しくない。
この身近な皮膚トラブルに対し、中国の研究グループが2025年12月、美容皮膚科学誌に、角質ケアと保湿を組み合わせた新しいアプローチを報告した。
毛孔性苔癬は「角質の詰まり」

二の腕にブツブツがある?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 背景→毛孔性苔癬(いわゆる「二の腕のブツブツ」)は毛穴の角質詰まりで起こり、成人でも約4割で続くとされ、見た目の悩みが心理的負担につながることがある。
- 従来の課題→治療はサリチル酸などの角質ケア+保湿が中心だが、刺激による赤み、ヒリつき、色素沈着などで継続が難しい場合がある。
- 研究内容→18~35歳の患者60人をランダムに2群に分け、28日間「スクラブ+保湿ローションの2段階ケア」と「サリチル酸配合ボディローション」を比較し、皮膚状態に加えて抑うつ傾向など心理面の変化も評価した。
毛孔性苔癬は、毛穴に角質が詰まることで起こる皮膚疾患で、ザラつきや赤み、かゆみを伴うこともある。特に二の腕の外側に出やすく「二の腕のブツブツ」として知られている。
自然に軽快する人もいるが、成人になっても約4割は症状が続くとされ、見た目の悩みがストレスや心理的な負担につながることも指摘されてきた。
論文によれば、これまでの治療は、「サリチル酸」などによる角質ケアや、保湿剤による乾燥対策が中心だった。ただ、角質を取る治療は刺激が強く、赤みやヒリヒリ感、色素沈着のリスクが問題になることもあり、継続が難しいケースもあった。
今回発表された研究は、18~35歳の毛孔性苔癬患者60人を対象に行われた。研究グループが試した新しい方法は、スクラブと保湿ローションを組み合わせた2段階ケアを28日間行うというもの。比較された対照グループは、一般的に使われているサリチル酸配合のボディローションが使われた。60人はランダムに2つのグループに分けられて、どちらかの方法が試され、その結果が比べられた。
新しく試された方法は、スクラブで角質を落とすことに加えて、不要な角質を分解し、その後に保湿とバリア修復で肌を守るという考え方に基づいている。
スクラブにはオリーブ殻由来の粉末やシリカ、酵素成分が使われ、保湿ローションには植物由来のオイルが配合された。
研究では、抑うつ傾向を評価する方法により心理面の変化も調べられた。
見た目の改善が、気分の改善にもつながる可能性

上が対照のサリチル酸を使った方法で、下がスクラブと保湿を組み合わせた方法。下の方が改善している。(出典/Aging Cell. 2025 Nov 18;25(1):e70294.)
- 皮膚への効果→両群でブツブツは減少し、スクラブ+保湿群では皮膚水分量の改善と経皮水分蒸散量の低下が見られ、バリア機能が保たれた。
- 心理面の変化→スクラブ+保湿群では28日後に抑うつスコアが改善し、見た目の変化が気分や自己評価に影響した可能性が示唆された。
- 示唆→毛孔性苔癬は美容だけでなく慢性的な皮膚状態として捉え、角質を削るだけでなく肌環境を整える総合的なケアが重要と考えられる。
その結果、両グループともブツブツの数は減り、スクラブ+保湿を使ったグループでは、時間の経過とともに肌の水分保持に関わる指標が改善する傾向が示された。
皮膚から水分が逃げる量(経皮水分蒸散量)も時間とともに低下し、肌バリアが保たれた。
また、肌の状態だけでなく心理面にも変化が見られた。スクラブと保湿を併用したグループでは、28日後に抑うつのスコアが改善していた。見た目の変化が、気分や自己評価に影響している可能性がある。
研究者らは、毛孔性苔癬を単なる「美容の問題」としてではなく、長期的に続く皮膚状態として総合的にケアする重要性を指摘している。
今回の研究から、二の腕のブツブツに悩む人にとって、毛孔性苔癬の治療は削るばかりではなく、肌の状態を整えていくことを意識すると良いかもしれない。
