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老化細胞の「善玉」と「悪玉」をAIで識別、悪玉化を抑える可能性も 老化細胞を調整する「セノモルフィック療法」の可能性 京都大学が報告

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老化の研究が進む。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

老化の研究が進む。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 2026年1月、京都大学の研究グループは「悪玉」の老化細胞を抑える仕組みを見つけ出したことを発表した。AI(人工知能)により老化細胞の善玉と悪玉を見分けられる可能性も示した。

 老化の質をコントロールする仕組みの理解につながりそうだ。

DNAの周りのたんぱく質が「動ける」?

細胞の研究。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

細胞の研究。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 老化細胞→ 「善玉」と「悪玉」が存在し、悪玉は炎症や病気の引き金になる。
  • H2AXの動き→ DNA周辺のたんぱく質H2AXが可動状態だと、悪玉化を抑制できる。
  • 細胞内の仕組み→ タンパク質の動きやすさが、不要なたんぱく質の処理や老化進行の制御に関与。

 研究の発表資料によれば、増えすぎた老化細胞が病気に関わることが知られている。さらに、この老化細胞には「善玉」と「悪玉」があるとされ、体の炎症を悪化させたり、病気を引き起こしたりするのは悪玉の老化細胞となる。逆に、善玉は、がんを防ぐなど体の安全装置として働くと理解されてきた。

 京都大学の研究グループは、老化細胞の悪玉化に着目し、その仕組みに迫っている。

 研究が注目したのは、細胞のDNAの周りにあるたんぱく質で、DNAをまとめて収納するための「ヒストン」というたんぱく質の一種「H2AX」。

 研究グループは、このタンパク質が必要に応じてDNA周りから離れたり戻ったりしやすい状態になると、悪玉化した老化細胞が過剰に増えるのを抑える役割を持つことを示した。

 タンパク質が動きやすくなることで、細胞内の不要なたんぱく質を処理する仕組みが働く。その結果、老化が悪化する方向に進まないよう調整される。

AIで見分けられる

AIにより老化細胞の善玉、悪玉を見分ける。(出典/京都大学生命科学研究科井倉研究室)

AIにより老化細胞の善玉、悪玉を見分ける。(出典/京都大学生命科学研究科井倉研究室)

  • AIの活用→ 人の目では区別が難しい老化細胞も、AIで悪玉化を識別可能に。
  • セノリティックとの違い→ 老化細胞を一律に排除せず、悪玉化を防ぐ視点が重要に。
  • 今後の展望→ 悪玉老化細胞の見極め精度を高め、老化の質を評価する技術開発へ。

 もう一つのポイントは、老化細胞を、AI(人工知能)を使った解析で区別できる手がかりを示した点だ。

 老化細胞は、人の目では違いが分かりにくいが、AIで解析すると、増えすぎた老化細胞が「悪玉化」していることを見分けられる可能性がある。

 老化細胞を消す治療「セノリティック」が注目される中で、今回の成果は、老化細胞を一律に排除するのではなく「悪玉化を抑えて善玉状態を保つ」発想につながる。研究グループは、このような老化細胞の善玉と悪玉に着目した治療を「セノモルフィック療法」と呼んでいる。

 今後、悪玉老化細胞の判定精度を高め、老化の質を評価する技術へ発展できるかが焦点となる。

参考文献

 悪玉老化細胞を見分けて健康老化へ―悪玉老化細胞抑止のメカニズム―
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-01-08-1

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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