
マルチビタミンの効果を、エピジェネティック・クロックで調べる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
日常的なマルチビタミンの摂取により、老化のペースが緩やかになることが分かった。
米国ハーバード大学とマサチューセッツ総合病院などの研究チームは2026年3月に発表した。
DNAから測る「生物学的年齢」で検証

サプリメントの効果は。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 老化をDNAで評価→ 「エピジェネティック・クロック」を使って、生物学的年齢の変化を調べた。
- 高齢者を2年間追跡→ 平均約70歳の参加者958人を対象に、マルチビタミン摂取の影響を検証した。
- 長期効果を確認→ 身近なサプリメントが老化にどう関わるかを、血液データから確認した。
マルチビタミンは、身近なサプリメントだが、従来、研究が行われてきたものの、その長期的な効果については不明な部分も残されている。
今回の研究では、老化の指標として「エピジェネティック・クロック」と呼ばれる手法が用いられた。これはDNAの「メチル化」と呼ばれる変化を基に、生物学的な年齢や老化の速度を推定する技術。生まれてから経過した暦上の実年齢ではなく、身体的な年齢を表すもので、健康長寿やロンジェビティと呼ばれる科学の中で注目されている。
研究グループは、「COSMOS(Cocoa Supplement and Multivitamin Outcomes Study)」と呼ばれる研究のデータにより、マルチビタミンの効果について検証した。この研究は、平均年齢約70歳の健康な参加者958人を対象に、マルチビタミンやココア抽出物の摂取グループとプラセボグループに分け、2年間にわたり血液から確かめられるDNAの変化を追跡した。
老化が進んでいる人ほど効果が大きい

老化を遅らせる方法が調べられている。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 老化の進行を抑制→ マルチビタミン摂取群では、老化の進み方が全体として緩やかだった。
- 約4カ月分の差→ 2年間の摂取で、生物学的老化が約4カ月遅れたと推定された。
- 効果に個人差→ もともと老化が進んでいた人ほど、効果が大きい傾向が見られた。
その結果、マルチビタミンを摂取したグループでは、5種類のエピジェネティック・クロックすべてで老化の進行が抑えられた。特に死亡リスクと関連する2つの指標で統計的に有意な差が確認された。その変化は、2年間で約4カ月分の老化の遅延に相当するとされる。
さらに、研究では個人差にも注目している。実年齢よりも生物学的年齢が高い、つまり老化が進んでいる人ほど、マルチビタミンの効果が大きく現れる傾向が確認された。
研究チームは、今回の結果について「寿命を延ばすだけでなく、より健康的に生きる方法への関心が高まる中で、手軽で安全性の高い介入が、より健康的な老化に寄与する可能性を示す」としている。今後、さらなる検証が進められる予定だ。
美容医療の分野でロンジェビティが関心を寄せられているが、その手段の一つとしてマルチビタミンのような栄養素摂取の方法は、科学的な根拠が積み重なり、注目度を高める可能性がある。
研究成果は著名医学誌「Nature Medicine」に掲載された。
参考文献
Daily multivitamin may slow biological aging
https://news.harvard.edu/gazette/story/2026/03/daily-multivitamin-may-slow-biological-aging/
オメガ3系脂肪酸が老化を遅らせる可能性、3年で約4カ月の差、ビタミンDや筋トレとの組み合わせでも有効、スイス・チューリッヒ大学の研究が明らかに
https://biyouhifuko.com/news/research/11356/
