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顔の年齢、どこを見て判断?視線は「中顔面」に集中 40歳設定の顔は判断に約1.5秒、美容医療への応用可能性も 国際研究グループが報告

カレンダー2026.9.25 フォルダー最新研究
顔の特徴点を読み取る顔認証・顔解析システムを利用する女性。

顔の年齢印象や視線の集まり方を分析する研究では、顔のどの部位が判断の手掛かりになるかが注目されている。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

 人は誰かの顔を見たとき、どこを手掛かりに「若く見える」「年齢が高く見える」と判断しているのか。

 顔を見る人の視線の動きを追跡した研究で、顔の中央部にあたる「中顔面」が特に長く見られていたことが明らかになった。

 ドイツなどの研究者らが2026年9月に報告した。

「若く見える?年齢が高く見える?」

白い背景の前で正面を向く女性の顔。

顔の年齢印象を判断する研究では、20歳、40歳、60歳に設定した顔画像を用いて視線の動きを解析した。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 年齢判断では中顔面に注目→ 顔を見て「若い」「年齢が高い」と判断する際、顔の中央部が最も長く見られていた。
  • 一般の54人で視線を追跡→ 20歳、40歳、60歳に設定したAI生成の顔画像を使い、最初に視線が向かう場所や見る時間を調べた。
  • 視線の速さと長さを評価→ 早く視線が向き、長く見られた場所ほど、年齢判断の手掛かりとして強く使われている可能性がある。

 顔は年齢を判断する重要な手掛かりになる。論文では、加齢に伴ってシワや皮膚のたるみ、脂肪量の減少、骨格の変化などが現れ、こうした変化が見た目の年齢に影響すると説明している。

 では、人は顔のどこを見て年齢を判断しているのか。

 論文によると、これまでの視線の動きを調べた研究では、口元など顔の下側に視線が集まりやすいという報告がある一方、目の周辺が年齢や疲労感の判断に重要だとする研究もあった。ただ、顔を見て「若い」「年齢が高い」と判断するまでにどれくらい時間がかかり、その短い間にどこを見るのかについては、十分に調べられていなかったという。

 そこで研究グループは、18~70歳の54人を対象に、視線の動きを記録する「アイトラッキング」を実施した。参加者はアジア系26人、白人系28人で、平均年齢は28.4歳。美容外科の専門知識を持たない一般の人が参加した。

 画面に表示したのは、実在する人物の写真ではない。画像生成AI「Midjourney」で、アフリカ系、アジア系、白人系、ラテン系、中東系の外見を想定した60枚の顔画像を作成した。年齢は20歳、40歳、60歳の3グループで、男女が同じ割合になるように設定した。

 参加者には、それぞれの顔を第一印象で「若い」または「年齢が高い」と素早く判断してもらい、同時に視線の動きを記録した。

 顔は上部、中央部、下部などに分け、どの場所に最初に目が向いたのか、また判断するまでにどれくらい長く見ていたのかを調べた。論文では、この2つの指標を年齢判断の手掛かりとしている。顔が表示されてから早い段階で視線が向き、さらに長く見られていた場所ほど、年齢判断の手掛かりとして強く利用されている可能性があるという考え方だ。

中顔面を見る時間は約0.86秒

頬に手を添え、顔の中央部が見える女性のポートレート。

顔の年齢印象では、頬や目の下を含む中顔面が重要な手掛かりになる可能性が示された。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 中顔面を見る時間は約0.86秒→ 平均注視時間は中顔面が約864ミリ秒で、顔の下部や上部を大きく上回った。
  • 最初に視線が向かうのも中顔面→ 顔が表示されてから平均約36ミリ秒で中顔面に視線が向かい、他の領域より速かった。
  • 40歳設定の顔は判断に時間→ 20歳や60歳設定より判断時間が長く、若さと加齢の特徴が混在するため複数の情報を確認していた可能性がある。

 結果を見ると、最も長く視線が集まったのは顔の中央部だった。

 画像を見ている間に中顔面へ視線を固定していた時間は平均約864ミリ秒だった。これに対して顔の下部は約106ミリ秒、上部は約25ミリ秒で、中顔面が大きく上回った。

 さらに、画像が表示されてから最初に視線が向かうまでの時間も、中顔面では平均約36ミリ秒と最も短かった。顔の下部は約580ミリ秒、上部は約731ミリ秒だった。研究グループは、中顔面が年齢を判断するときに強く注意を引く場所になっているとみている。

 もう一つ目立ったのが、40歳設定の顔だった。

 「若い」「年齢が高い」と判断するまでにかかった時間は、20歳設定で平均約1.02秒、60歳設定で約1.05秒だったのに対し、40歳設定では約1.49秒と長くなった。視線を動かす回数も40歳設定の顔で最も多かった。

 研究グループは、40歳設定の顔には若々しい特徴と加齢による特徴が混在し、シワや肌質、顔の脂肪の変化など複数の情報を確認する必要があるため、20歳や60歳設定の顔より判断に時間がかかった可能性を挙げている。

 見る人による違いも確認された。アジア系の参加者は白人系の参加者と比べて中顔面を見る時間がやや短く、顔の下部を見る時間が長かった。一方、提示された顔画像に設定された民族的背景によって、中顔面を見る時間に明確な差は確認されなかった。こうした結果から研究グループは、顔の年齢を見るときの視線には、見る側の背景による違いもある可能性を指摘している。

 美容医療との関係では、研究グループは中顔面に注目している。中顔面は最初に視線が向かいやすく、見る時間も長かったため、年齢を感じ取る上で重要な領域である可能性があるという。フィラー注入によるボリューム改善、フェイスリフト、肌表面を整える治療などを考える際にも、こうした視線データが参考になる可能性があるとしている。

参考文献

Zeng R, Glaue E, Moellhoff N, Giunta RE, Lim T, Felice F, Prantl L, Brébant V, Unbehaun P, Frank K. How Long and How We Judge Age: A Cross-Racial and Cross-Gender Eye-Tracking Investigation. Aesthetic Plast Surg. 2026 Sep 17. doi: 10.1007/s00266-026-06240-0. Epub ahead of print. PMID: 42752663.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42752663/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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