美肌の天敵「IL-17タンパク質」、スペインの研究で新発見、その厄介な影響力とは?
ポイント
- これまで知られていなかった皮膚の老化に関わるメカニズムが発見された
- IL-17というタンパク質が皮膚の老化を促進している可能性が示された
- IL-17をブロックすることで、肌を若く保てるようになるかもしれない
2023年6月、最新の研究から、肌の老化に関わるこれまでに知られていないメカニズムが明らかにされた。スペインの研究グループは「IL-17」というタンパク質と、その皮膚の老化への影響を報告している。
老化した皮膚で濃度が上昇
皮膚の老化は、その構造と機能の両方に変化をもたらし、皮膚をもろくし、活力も低下させていく。
今回、スペインの研究グループは、IL-17というタンパク質と、皮膚の老化現象との間に関連性があることを見いだした。この研究成果は、老化の研究を専門とする科学誌のNature Agingに掲載された。
研究グループは、皮膚の真皮に存在する免疫細胞において、老化した細胞に限ってIL-17のタンパク質の濃度が上昇していることを見つけ出した。さらに、IL-17をブロックすることで、加齢に伴う皮膚のダメージを遅らせることができると実証した。
毛包や保湿、遺伝子などに影響
研究グループが詳しい実験を行い、IL-17がさまざまな形で肌の老化に寄与していることを確認した。具体的には、IL-17は毛を作り出す毛包の成長、保湿、老化をつかさどる遺伝子をコントロールし、最終的に肌の見た目に影響を与えるのである。
これらのことから、IL-17は皮膚の老化を食い止める重要なファクターになり得ることが示された。美容医療の分野では、IL-17は美肌の天敵となる。今後、IL-17を標的とした薬剤の開発などにより、加齢に伴う皮膚の変化や特定の病気の予防が期待され、アンチエイジング研究において注目の物質になるかもしれない。
参考文献
Solá P, Mereu E, Bonjoch J, Casado-Peláez M, Prats N, Aguilera M, Reina O, Blanco E, Esteller M, Di Croce L, Heyn H, Solanas G, Benitah SA. Targeting lymphoid-derived IL-17 signaling to delay skin aging. Nat Aging. 2023 Jun 8. doi: 10.1038/s43587-023-00431-z. Epub ahead of print. PMID: 37291218.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37291218/
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