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バリア機能だけではない、セラミドが肌老化を遅らせる効果を示す

カレンダー2023.7.9 フォルダー最新研究

ポイント

  • セラミドを含む「セラミドコンプレックス」が老化細胞による肌の炎症を抑制していることが確認された
  • セラミドコンプレックスを配合した製剤により、肌の赤みを抑え、肌の弾力性などを改善
  • セラミドはバリア機能だけではなく、老化症状の改善の効果も担っている可能性を示した
気になる肌の老化。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

気になる肌の老化。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 肌のバリア機能を担う物質と知られるセラミドが、皮膚老化を遅らせる効果を発揮する可能性があるようだ。2023年6月27日、ロート製薬が発表している。

スキンケアにおけるセラミドの役割とは?

肌の成分の一つ、セラミド。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

肌の成分の一つ、セラミド。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ロート製薬によると、同社はスキンケア研究において、肌のうるおいは保ちつつ、不要な汚れだけを落とす「選択的洗浄技術」の開発に注力してきた。この中で同社は、肌にもともと存在している成分の一つである「セラミド」に肌のバリア機能を保つ機能があると報告していた。

 今回の研究では、セラミドのバリア機能以外の新たな機能の解明に焦点を当て研究を進めた。特に、「セラミドコンプレックス(複合体)」の炎症を静める効果について調べている。

※セラミド混合物は、「ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン」と「セラミド6II」を含む混合物。これを微小な粒子状に変化させた「ナノエマルション化」したのが「セラミドコンプレックス」。なお、炎症とは、肌の赤みや腫れ、痛みにつながる身体の反応のこと。

セラミドコンプレックスが老化症状を改善

セラミドを含む製剤を4週間塗布した結果、炎症反応に関連した症状が改善した。赤が塗布後。(出典/ロート製薬)

セラミドを含む製剤を4週間塗布した結果、炎症反応に関連した症状が改善した。赤が塗布後。(出典/ロート製薬)

 こうして分かったのは、セラミドコンプレックスが肌の老化症状を抑えるということだ。

 具体的には、セラミドコンプレックスは、細胞の炎症や老化に関与する「SASP因子」と呼ばれる物質の生成を防ぎ、炎症を鎮める効果を発揮することが分かった。

 さらに、セラミドコンプレックスを配合した製剤を4週間継続使用することで、肌の赤みが減ることに加え、肌の弾力性向上し、毛穴が目立たなくなり、シミが減少することも確認された。こうした観察から、セラミドコンプレックスが老化症状を抑える可能性があると考えられた。

 同社は、セラミドはバリア機能を担うだけではなく、老化症状を改善する顔の可能性があると指摘。「今後も、バリア機能にとどまらないセラミドの機能性研究を進めることで、肌悩みの根本から対処」できるような製品開発を目指すという。

参考文献

皮膚老化に対するセラミドの新たな機能の発見
https://www.rohto.co.jp/research/researchnews/technologyrelease/2023/0627_01/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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