シワと角質の秘密、レチノールが効く理由とは?資生堂の最新報告
ポイント
- 角質と真皮の硬さのギャップによって、顔などのシワが発生している
- 角質が硬くなると真皮に加わる機械的なストレスが増え、このギャップがさらに広がる
- 純粋なレチノールは角質を柔らかくすることで、シワ面積を減らすことができた
シワの原因は、角質と真皮との間の「硬さのギャップ」だという。資生堂が2023年7月、新たな研究成果を報告している。
角質と真皮「硬さのギャップ」問題
資生堂は、独自開発の「肌内外3D弾性イメージング技術」を使い、顔などにシワができるのは、角質と真皮との間の「硬さのギャップ」に原因があることを21年発表の研究で突き止めている。同社では、この硬さのギャップについて「2層(角層と真皮)の肌ギャップ」と呼んでいる。
今回、さらに角質の硬さに着目し、コンピューターシミュレーションを行うことで、角質が硬くなることの影響やそれによるシワ発生への影響を検討した。
真皮のメカニカルストレスが増加
こうして確認されたのは、真皮に加わる「メカニカルストレス(機械的なストレス)の増加」が角質と真皮との間の硬さのギャップをより広げ、シワの問題につながる可能性があることである。
同社によるコンピューターシミュレーションによると、角質が硬くなると、真皮の変形が大きくなり、これによって大きなメカニカルストレスがかかると確認された。
同社によると、メカニカルストレスが強まると、真皮はコラーゲン分解酵素の産生を進め、これにより真皮をより軟化させるという。結果として、角質と真皮との間に硬さのギャップを広げて、シワの原因になると考えられた。
レチノールで角質が柔らかく
今回、同社では、純粋なレチノールを使って角質を柔らかく保つことで、シワを防ぐことができるかを、肌内外3D弾性イメージング技術を使って検討している。
日本人女性35人を対象にテストしたところ、純粋なレチノールを配合したクリームを4週間連用することで、角質が柔らかくなり、シワ面積の減少につながることが確認された。
また、ヒマシ油などを含む複合油分を配合した成分についても検討しており、これらは角質を素早く柔らかくすると確認。そのため、純粋なレチノールの長期的な効果を補うと説明している。
柔らかい角質を保つことが、シワ予防のために重要であることが徐々に明らかになってきている。
参考文献
資生堂、「純粋レチノール」が角層を柔軟化し、皮ふ表面から奥へのシワ進行を抑制する新機能を発見
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003654
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