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なぜシワやたるみが現れる?肌の老化プロセスに光、コーセーが真皮の変化を明らかに

カレンダー2023.11.3 フォルダー最新研究

ポイント

  • 肌の真皮に存在している線維芽細胞の老化に焦点を当てて研究
  • 同一人物の35年間にわたるデータを分析し、細胞のパターンの変化を調べた
  • 細胞のパターンの変化が確認され、老化を決める遺伝子も見つかった
なぜ肌は老化。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

なぜ肌は老化。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 肌はなぜ老化するのか。コーセーは2023年9月に若返り研究につながる新しい発見を報告した。

同じ人物を35年間にわたって調べる

真皮に老化した細胞が蓄積。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

真皮に老化した細胞が蓄積。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 肌のシワやたるみは年を重ねるにつれて現れてくる。その背景には老化した細胞が影響すると考えられている。

 コーセーの研究グループは、同じ人物から35年にわたる期間で採取された真皮線維芽細胞を調べて、老化した細胞の蓄積について分析した。

 具体的には、大量にある細胞の一つ一つの遺伝子を詳細に調べて、その結果に基づいてパターン分けしていった。

ある遺伝子が老化の運命を決める

年齢とともに細胞の集団に認められるパターンに変化が見られた。(出典/コーセー)

年齢とともに細胞の集団に認められるパターンに変化が見られた。(出典/コーセー)

 その結果、36歳と72歳のデータを比べたところ、老化した細胞の割合が36歳では約4%であるのに対して、72歳では約10%に増えることが明らかになった。このほかにも細胞のパターンに年齢と共に変化が生じていることが示された。

 さらに、研究グループが調べたところ、線維芽細胞の老化に関与する遺伝子として「EFEMP2」を特定することもできた。遺伝子が肌の老化の運命を決める可能性がある。

 以前から、ヒフコNEWSでも肌の老化についての研究を伝えている。最新の研究成果が次々と出てくることで、将来的には肌の若返りにつながる方法が見つかる可能性も高まってくる。

参考文献

真皮線維芽細胞の老化運命を調節する 遺伝子EFEMP2を特定
https://corp.kose.co.jp/ja/news/8273/

肌のシミ・くすみ・シワ・うるおいなどの未来、資生堂と理化学研究所が数式で予測
https://biyouhifuko.com/news/research/3441/

バリア機能だけではない、セラミドが肌老化を遅らせる効果を示す
https://biyouhifuko.com/news/research/3441/

美肌の天敵「IL-17タンパク質」、スペインの研究で新発見、その厄介な影響力とは?
https://biyouhifuko.com/news/research/2047/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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