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効果的な毛穴引き締め実現?ウルセラとヒアルロン酸注入組み合わせを検証

カレンダー2023.4.6 フォルダー最新研究

ポイント

  • ウルセラとヒアルロン酸注入を組み合わせた施術で毛穴引き締め効果を検証
  • 2つの施術を組み合わせることで、毛穴が小さくなる効果が確認された
  • 施術を受けた本人の満足度も施術の組み合わせによって高まった

毛穴を引き締められる?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 「MFU-V(Microfocused Ultrasound with Visualization)」はマイクロ焦点式超音波の略称で、この技術を使った美容機器が米国メルツエステティック(Merz Aesthetic)社が製造するウルセラ(Ultherapy)である。一般にウルセラはハイフ(High Intensity Focused Ultrasound=HIFU)と認識されることが多いが、同社はMFU-Vと呼んでいる。今回、MFU-V(ウルセラ、以下ウルセラと書く)とヒアルロン酸注入の組み合わせによる毛穴の引き締め効果が報告された。

毛穴を引き締める効果に着目

組み合わせ効果を確かめる。?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ウルセラはシワやたるみの改善に用いられ、肌の若返り効果を狙った施術が人気だ。ウルセラは超音波により皮下に熱をかけて真皮のコラーゲン生成を刺激するなどして肌をリフトアップし、シワやたるみを改善する。一方でヒアルロン酸注入も皮下のボリュームを増やすことでシワやタルミの解消を目的として盛んに行われている。

 これらウルセラやヒアルロン酸は開いた毛穴を目立たなくするためにも使用される。

 今回、タイの研究グループは、ウルセラとヒアルロン酸の注入を組み合わせることで、毛穴引き締め効果があるか検証する研究を行った。その研究結果は21年8月、美容皮膚科の専門誌ジャーナル・オブ・コスメティック・ダーマトロジーに掲載された。

 論文のアウトラインは次の通りだ。

 ウルセラによる照射と、持続期間が比較的短いとされる低架橋タイプのヒアルロン酸の注入を組み合わせることで、毛穴を引き締めることができるのか、研究グループが検証した。ヒアルロン酸に使われた製剤はベロテロソフトである。被験者として、顔の毛穴が目立っていた46人(男性14人、女性32人)を選んだ。効果の違いを確認するため、顔の片側にはウルセラのみ、もう片側にはウルセラとヒアルロン酸注入の組み合わせをそれぞれ実施。どの施術を行うかは、ランダムに決められた。

 毛穴の大きさは3D測定器と医師の目視評価の2つの方法で評価され、0点から4点の間で点数が付けられた(毛穴が大きいと4点)。また、被験者自身も満足度を1~10で評価した。

ウルセラとヒアルロン酸の組み合わせで満足度が高まる

滑らかな肌。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 こうして確認されたのは、ウルセラとヒアルロン酸を組み合わせることで、毛穴引き締め効果が高められるということ。

 具体的には、ウルセラだけよりも、ウルセラとヒアルロン酸を併用した方が、3Dで測定した毛穴がより一層小さくなり、参加者の満足度も向上することが確認されたのである。ただし、医師の目視評価では差がなかった。

 以上が、論文のポイントだ。

 今回の結果を見ると、2つの施術を組み合わせることで毛穴引き締め効果の満足度は高まる可能性があるようだ。毛穴が目立つことに悩んでいる人はこんな海外の研究も参考にするとよいかもしれない。

参考文献

Vachiramon V, Namasondhi A, Anuntrangsee T, Kositkuljorn C, Jurairattanaporn N. A study of combined microfocused ultrasound and hyaluronic acid dermal filler in the treatment of enlarged facial pores in Asians. J Cosmet Dermatol. 2021 Nov;20(11):3467-3474. doi: 10.1111/jocd.14360. Epub 2021 Aug 5. PMID: 34352146.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34352146/

Ultherapy(Merz Aesthetic)
https://merzaesthetics.com.sg/ultherapy/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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