コラーゲンペプチドを摂取することが肌や爪をより健康的に改善する効果が中国の女性を対象にした研究から示された。
ベルギーとフランスの研究チームが2024年8月に美容皮膚科の医学誌で発表した。
肌の老化につながるコラーゲンの量や質の低下
肌は体の最大の臓器であり、外部からの刺激から体を守るために欠かせない。そんな肌の老化は体の内部、または外部からのさまざまな要因で進むが、主な原因としてコラーゲンやエラスチンの質と量の低下が関連しているとされる。
肌を構成する層の一つである真皮には、コラーゲン、エラスチン、グリコサミノグリカンなどの細胞外マトリックス(ECM)成分を大量に作る線維芽細胞が存在し、コラーゲンはECMで最も豊富なタンパク質となる。これは皮膚の強度を支えるためなどに重要だ。これらの質や量が変化すると、肌の弾力性が低下し、シワやたるみが目立つようになると考えられている。
コラーゲンペプチドは、これらの老化を抑える効果が期待され、これまでの研究でも様々な効果が報告されてきた。
今回研究チームは、43歳から65歳の85人の健康な中国の女性を対象に、ランダムに2つのグループに分け、一方のグループには毎日5gのコラーゲンペプチド、もう一方のグループにはコラーゲンペプチドを含まないプラセボを摂取してもらった。こうして試験は84日間行われ、肌の密度、水分量、弾力性、シワの深さ、爪の色など、複数の肌の老化に関連した指標が評価された。
肌の真皮密度が高まり、爪の色なども改善
研究の結果、コラーゲンペプチドによる肌や爪の状態を改善する効果が確認された。
具体的には、84日後、コラーゲンペプチドを摂取したグループでは、肌の密度と水分量が有意に改善されたことが確認された。「総真皮密度」という指標が当初と比べて6.3%有意に増加し、水分量も8.4%有意に増加していた。シワの深さや自己評価による肌の美しさも改善。爪は明るく色が変化していた。
また、28日間の摂取で既に肌の弾力性が向上し、シワの深さが減少し、爪の色が明るくなるといった効果が確認された。これらの結果は、コラーゲンペプチドが肌と爪の老化サインを遅延させる可能性を示唆している。
なお、研究の期間中、2つのグループのどちらについても、関連する副作用などは確認されなかった。
肌や爪のためにコラーゲンペプチドを摂取することが1~3カ月程度の期間で、確かに効果を現すことが確認された。肌や爪の調子を良くしたい場合に、普段の生活に取り入れることを考えても良いかもしれない。