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PN製剤が毛穴治療で効果、韓国の医師8割が支持、皮脂分泌、弾力低下、ニキビによる顔の毛穴拡大、皮膚科学専門誌で報告

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目立つ毛穴をPN製剤で治療できる?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

目立つ毛穴をPN製剤で治療できる?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ポリヌクレオチド(PN)製剤は、肌を再生し、若返らせるという観点から使用されるケースが増えている。これに加えて、PN製剤が皮脂分泌や弾力低下、ニキビによって広がった毛穴にも有効であるという評価を、韓国の美容医師から得られている。

 韓国の美容医師を対象にPN製剤の使用実態が調査され、2024年9月に皮膚科学の専門誌で結果が発表された。

毛穴治療にPN製剤は有効か

さまざまな原因で毛穴は広がる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

さまざまな原因で毛穴は広がる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 顔の毛穴の広がりは、多くの人にとって悩みの種になっている。皮脂分泌が多すぎたり、肌の弾力が失われたり、ニキビが原因となったりして、毛穴が広がり目立つことがある。

 そこで美容医療による治療が行われており、従来の治療では、皮脂分泌を減らしたり、弾力を取り戻したりするために、塗り薬や飲み薬、光やレーザーによる治療などが行われている。

 そんな中で、PN製剤が肌の若返りに加え、皮脂の過剰分泌、弾力低下、ニキビによる毛穴の広がりにも効果を発揮することが注目されている。

※PN製剤は、サケ由来のポリデオキシヌクレオチド(PDRN)製剤と類似の構造を持ち、コラーゲン生成促進や抗炎症効果が期待されている。炎症は腫れや痛みなどにつながる体の免疫反応。

 今回の調査では、韓国の研究グループ407人の美容医師を対象に、顔の毛穴治療へのPN製剤の使用状況やその効果についてアンケートが行われた。

8割近くが効果的と評価

PN製剤で毛穴を治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

PN製剤で毛穴を治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 アンケートの結果、PN製剤が毛穴の広がりに使用され、それが有効であると認識されていた。

 具体的には、75.7%の医師が皮脂過剰による毛穴拡大にPN製剤を使用していたほか、87.7%が弾力低下による毛穴拡大、72.2%がニキビによる毛穴拡大にPN製剤を使用していたことが分かった。

 さらに、皮脂過剰に対して81.4%、弾力低下に対して83.8%、ニキビによる毛穴拡大に対して76.8%の医師が「非常に効果的」または「効果的」と評価していた。

 PN製剤が効果を示すメカニズムとしては、傷を治す効果、肌バリアの保護、保湿、皮脂分泌の安定化が挙げられ、これが毛穴の広がりを治す要因になると考えられている。

 調査によると、多くの医師が、PN製剤をマイクロニードルRF(高周波、ラジオ波)やボツリヌス療法と併用し、これにより効果を最大化していた。PN製剤とマイクロニードルRFの組み合わせは、コラーゲン生成を促進し、毛穴を引き締める効果が期待されている。ボツリヌス療法との併用により、皮脂分泌の抑制、毛穴の縮小効果が強化されると考えられている。

 この研究は、PN製剤が韓国の美容医療において毛穴の治療に広く使用され、その効果が高く評価されていることを示し、今後の毛穴治療におけるPNの活用が期待される。

参考文献

Lee D, Choi H, Yoo K, Park YJ, Park HJ, Oh SM, Ji GH, Rah GC, Shin DW. Assessment of current practices and perceived effectiveness of injectable polynucleotide for enlarged facial pores among cosmetic physicians: A survey-based evaluation. Skin Res Technol. 2024 Sep;30(9):e13738. doi: 10.1111/srt.13738. PMID: 39233467.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39233467/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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