顔に密着させるタイプの赤い光を発するマスクをかぶることで、皮膚深層の弾力性が4.4倍に高まるなどの効果が得られることが分かった。
韓国のKAIST(韓国科学技術院)の研究チームが2024年10月に発表した。
LEDマスクが美肌効果を生み出す
今回効果が報告されたのは、「表面発光型マイクロLED」マスク(FSLEDマスク)と呼ばれる、赤い色の光を顔の肌に均一に当てることで美肌効果を引き出す最新の美容機器。
ヒフコNEWSでも、レッドライトが海外で注目されていることを伝えたことがあるが、LEDの光を活用したマスクは最近、海外で広がりを見せている。特定の波長の光を肌に照射することで、美肌効果を促すと考えられている。
今回、光を照射することによる肌の深部への影響が注目された。というのも、従来のLEDマスクは、マスク自体が硬くて顔に密着させることが難しく、せっかく光を照射しても9割は反射されていたためだ。
そこでKAISTの研究チームは顔に密着させられるFSLEDマスクを開発した。これは3770個のマイクロLEDが配置された折り紙構造のマスクで、肌にLEDを近づけて光を照射することができる。
研究では、33人の被験者にFSLEDマスクを装着してもらい、波長を赤色(約630ナノメートル)に設定した状態で一定期間照射。皮膚の深部まで光が到達するよう工夫を施し、皮膚の弾力性を専用の装置で詳しく計測した。従来のLEDマスクと比べて、皮膚深部弾力性、たるみ、シワの改善効果がどれほど優れるかを検討した。
11月に世界でFSLEDマスク発売へ
研究結果によると、FSLEDマスクを継続的に使用した被験者の皮膚は、従来のLEDマスクと比べて、皮膚深部弾力性を高める効果が4.4倍だった。このほかたるみやシワも改善した。
研究グループは低温ヤケドの副作用なく、肌の深層の弾力性を高められたことが、今後のホームケア型のアンチエイジング治療を可能にすると期待している。FSLEDマスクは、KAIST発ベンチャーFronicsによって11月から世界で発売される見通し。今後、光を使った美肌ケアが注目されるかもしれない。