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HIPS、顔面の引き締め効果を確認、ソフウェーブを13人の女性対象に検証、韓国グループが報告

カレンダー2024.11.18 フォルダー最新研究
Sofwaveの施術風景。(写真/Sofwave medicalのYoutubeチャンネル)

Sofwaveの施術風景。(写真/Sofwave medicalのYoutubeチャンネル)

 超音波を使った新しい美容施術である、HIPS(高強度並列超音波、製品名SOFWAVE、ソフウェーブ)の施術効果が報告されている。

 韓国の研究グループが2024年11月に美容皮膚科誌で発表した。

1~2mmの深さに熱を発生させて改善

Sofwaveの施術風景。(写真/Sofwave medicalのYoutubeチャンネル)

Sofwaveの施術風景。(写真/Sofwave medicalのYoutubeチャンネル)

  • 老化による肌の変化→真皮層のコラーゲンとエラスチンの分解が進み、肌の弾力性やボリュームが失われ、シワやたるみが目立つ
  • HIPS(SUPERB)の特長→7つのトランスデューサーから超音波を出し、真皮層で60~70度の熱を発生させてコラーゲンとエラスチンの再構築を促進
  • HIPSとHIFUの違い→HIFUは超音波を一点に集中するのに対し、HIPSは面で超音波を照射する技術

 老化が進むと、真皮層のコラーゲンとエラスチンの分解が進行して、肌の弾力性やボリュームが失われる。これにより、シワやたるみが目立つようになる。超音波や高周波を使った手術を必要としない美容施術が広がっている。

 このような背景の中、韓国の研究グループが評価したHIPSは、顔面皮膚の引き締め効果を評価する新しいアプローチとして注目されている。

 この治療法の特長は、7つのトランスデューサー(変換器)から超音波を出し、1~2mmの深さで60~70度の熱を発生させて、真皮層でコラーゲンとエラスチンの再構築を促すこと。これにより肌の弾力性を回復させる。

 今回の研究報告ではHIPSと呼ばれているが、これはSUPERB(同期並行型超音波ビーム、スパーブ)とも呼ばれている。この施術は超音波を使う点でHIFU(高強度焦点式超音波、ハイフ)と近いが、HIFUでは一点に超音波を集めるのに対して、HIPSでは面で超音波を照射するところが異なる。

 対象となったのは女性13人(23~67歳、平均46.5歳)。皮膚の性質を示すフィッツパトリック分類は、III型が53.8%、IV型が38.5%、V型が7.7%。日焼けのしやすさからI型~VI型に分かれ、I型が最も日焼けしづらい。

 施術前に1時間の麻酔クリーム(リドカイン)塗り、両方の頬を中心に顔面および首にHIPSの施術を行った。

 効果は、参加者による5段階スコア(改善度を自己評価)による評価のほか、皮膚科専門医2人が写真をもとにほうれい線とあごの引き締まりを評価。さらに、治療前と治療後2カ月で皮膚の組織を調べて、コラーゲンとエラスチンの密度を測定した。

肌の引き締め効果を確認

顔面の引き締め効果を検証。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

顔面の引き締め効果を検証。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 肌の引き締め効果→目立った副作用はなく、真皮層のコラーゲンやエラスチンの密度が高まり、肌構造が改善された
  • 改善の評価→参加者の92%が中等度以上の改善(50%以上)を報告し、皮膚科専門医も85%で中程度以上の改善を確認
  • 安全性の確認→脂肪の萎縮、腫れ、長期的なしびれなどの副作用は確認されず、安全性に問題がないと報告

 結果として、目立った副作用を引き起こすことなく、肌の引き締め効果が確認された。

 具体的には、真皮層のコラーゲンやエラスチンの密度が高まり、肌の構造が改善。参加者の92%が中等度以上の改善(50%以上)を報告。皮膚科専門医も、85%の参加者で中程度以上の改善が見られたと評価した。

 安全性は、脂肪の萎縮、腫れ、長期的なしびれは確認されず、安全性の問題はないことを報告している。

 研究グループはHIPSが有望な治療法であり、治療後のダウンタイムが少なく高い効果が期待できると評価している。

 今回の研究は対象者が少ないものの、さらに多くの人たちを対象として検証が進むことで、有効性や安全性はよりはっきりと理解されることが期待される。

参考文献

Suh DH, Lee SJ, Song KY, Ahn HJ, Shin MK. High-Intensity, Parallel Ultrasound Tightening of Facial Skin: Clinical and Pathologic Results. J Cosmet Dermatol. 2024 Nov 12. doi: 10.1111/jocd.16670.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39530193/

肌を若返らせるECM製剤とエネルギーデバイス、画像でカスタマイズ「肌育」新時代、第112回日本美容外科学会で最新情報
https://biyouhifuko.com/news/japan/7675/

SUPERBやニードルRFなど最新機器も、機器を使ったたるみの治療、進化と使い分け、10代、20代前半のHIFU希望は困りの種、第112回日本美容外科学会(JSAS)で講演
https://biyouhifuko.com/news/japan/7619/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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