
偽物が販売されていた。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
美容医療機器の偽物が出回っているようだ。海外で裁判が起こされるほどだ。
美容医療を利用する際には、万が一存在している偽物の存在にも注意を払う必要がある。
美容医療分野に広がる偽物問題

偽造ボツリヌスの容器。(写真/米国食品医薬品局=FDA)
偽物が問題になったのは、イスラエルの美容医療機器メーカー、InMode(インモード)が製造する、Morpheus8(モフィウス8)。これはマイクロニードルと高周波(ラジオ波、RF)を組み合わせた機器で、日本国内の多くの美容クリニックでも導入されている。
インモードが2025年5月6日、中国の業務用のECサイトである敦煌网(DHgate)で偽物が販売されていたため、出品者を提訴し、勝訴したと発表した。これにより、カリフォルニア州の連邦地方裁判所はDHgateの出品者による偽物の販売差し止めを命じた。
DHgateは国際的な製品販売が可能なB2Bプラットフォーム。このプラットフォーム自体は一般的なウェブサイトだが、この中で不正に偽物業者がモフィウス8の偽造品を正規品と偽って販売し、国際的に売りさばいているような状況があったと見られる。
判決では、偽造品の販売および広告を禁止し、出品ページの掲載停止、加害者の資産凍結を求めたほか、損害賠償も命じた。
一方で、インモードでは、本物のモフィウス8を導入している認定クリニックを公式に公開する取り組みを進めている。
なお、米国をはじめ世界的に、ボツリヌス製剤やGLP-1作動薬の偽物については既に問題になっていた。性能や不純物などの問題をはらむ可能性があり、健康被害につながり得る。偽物の存在は美容医療分野で深刻な課題となっており、注意が求められている。
国内では偽物への注意喚起

東京都に寄せられる「偽物、偽サイト」の相談が増える傾向にある。(写真/東京都)
今回は米国での裁判事例だが、日本国内でも同様の問題が起こる可能性は否定できない。日本国内にも美容クリニックは多数存在する。もし偽造品が出回っていれば、健康被害につながる可能性もあり、注意を払うことが重要だ。
インモードの正規品導入クリニックを検索できる仕組みが日本でも導入されれば、利便性が高まる可能性がある。制度面で課題はあり得るが、偽造品が出回っているとしたら、安全性を確保するためには、同様の仕組みが求められる。
直接美容医療とは関係ないが、東京都はこの3月、消費者向けに 「偽サイト、偽物」の被害相談が増加しているとして注意喚起している。偽物に関する相談では、2024年度上半期だけで医療器具に関するものが34件に上った。過去5年間では、医療器具に関する相談は上位10件に含まれていなかった。偽造品が横行する状況では、美容医療機器においても偽造の実態が存在する可能性がある。日本国内でも「偽造ボトックス」は見つかっている。偽物には注意すると良いだろう。
