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韓国がGLP-1薬を「集中モニタリング対象」指定、違法販売359件摘発も背景に、日本でも「ダイエット利用」の課題変わらず

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GLP-1受容体作動薬の適正使用を求める。(出典/韓国食品医薬品安全処)

GLP-1受容体作動薬の適正使用を求める。(出典/韓国食品医薬品安全処)

 オゼンピックやマンジャロなどのGLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1薬)が自由診療で処方されることが日本国内では問題になっている。これは韓国でも同様だ。

 韓国の医療関連の規制を行っている食品医薬品安全処(MFDS)は2025年8月25日、GLP-1薬による肥満治療について、「集中モニタリング対象」に指定すると報告した。医師による処方と適応症に基づいた使用を徹底するよう呼びかけると共に、副作用について情報収集や分析を強化する。

韓国では違法販売の摘発も

GLP-1薬には副作用もある。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

GLP-1薬には副作用もある。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 韓国MFDSの警告→適応外の人が安易に使用しないよう強く呼びかけている
  • 使用の原則→医師の管理下での慎重な使用が必要
  • モニタリング強化→GLP-1薬を副作用の集中モニタリング対象として指定、安全性情報の収集・分析を強化

 日本と韓国の両国で、GLP-1薬は、BMI30以上の肥満患者、またはBMI27以上で糖尿病や高血圧などの合併症を持つ患者に適応を持ち、医師が処方する薬とされている。

 一方、このような条件に合わない人でも、全額自費で購入し、ダイエット目的などで使用するケースが世界的に増えている。GLP-1薬は糖尿病の薬としても使用されており、世界的な薬不足を引き起こして問題になってきた。

 今回、あらためて韓国MFDSは本来の適応症の条件に当てはまらない人が安易にGLP-1薬に手を出すことがないように求めている。

 同処によると、GLP-1薬は吐き気や嘔吐などの胃腸の副作用のほか、低血糖や急性膵炎、胆石症などのリスクがあると指摘している。また、特に甲状腺の特定の腫瘍がある人には使用できない薬であり、あくまで使用する場合には医師の管理の下で慎重に行う必要があると強調している。

 オンライン購入や個人間取引を通じた入手を避けることについても強く警告している。

 MFDSは、GLP-1薬を集中モニタリング対象に指定すると説明し、国内外で安全性の懸念や乱用の恐れが高い薬の一つとして重点的に副作用の収集や分析などを進めることとした。

 こうした警告の背景として、韓国ではGLP-1薬の違法販売が広がっている事情もある。ヒフコNEWSでも報じているが、韓国では2024年11月、GLP-1薬を含む医薬品の違法オンライン販売が359件摘発された。その約4割が「ウゴービ(セマグルチド)」や「サクセンダ(リラグルチド)」といったGLP-1薬であると明らかになっている。

 出所不明の薬の中には偽造品や汚染品の可能性もあり、安全性は保証されない。

 MFDSは不正広告や販売を重点的に取り締まるとともに、専門学会や薬剤師団体と連携して適正使用の啓発を強化している。

理解すべき「GLP-1ダイエット」のリスク

日本でもGLP-1薬を巡る問題が指摘され続けている。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

日本でもGLP-1薬を巡る問題が指摘され続けている。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 需要の現実→自由診療としてGLP-1薬を希望する人は多く、一部医療機関ではそのニーズに応じ処方が継続されている
  • 規制と実態のギャップ→国の注意喚起があっても、需要とSNS広告の拡大により、現場の乱用状況は続いている
  • 後悔しない選択のために→使用前にリスク・有効性・安全性を慎重に調べ、納得した上で判断する姿勢が重要

 ヒフコNEWSでも報じてきたように、日本国内では「GLP-1ダイエット」の問題は少なくとも2年前から厚生労働省や学会が繰り返し警鐘を鳴らしている。

 しかし現実には、自由診療の一環としてGLP-1薬を希望する人は後を絶たず、医療機関の中にはその需要に応じて処方を続けているケースもある。糖尿病治療薬が不足し、本来必要とする患者が治療に支障をきたすという問題も既に起きている。

 国が注意喚起を重ねても、実態には大きなギャップが残る。背景には「短期間で痩せたい」という強いニーズと、SNSなどを通じた情報や広告は影響する。規制が現場の実態に追いつかない様相を呈している。

 GLP-1薬を取り巻く状況は、日本でも韓国でも共通して「正しく使えば有効な薬」でありながら、誤った使い方が広がることで安全性が脅かされている。

 根本的な解決には、規制当局の監視だけでなく、利用者側がリスクを正しく理解できるようにしていくことだろう。使用時の胃腸の副作用は韓国でも指摘されているが、長期にわたって使った場合に、筋肉が落ちるなど日常生活などにどのような影響が出てくるかは分からない部分もある。

 国などが継続的に情報を提供し続けることは重要であるとともに、使う人があとで後悔しないように慎重にリスクについて調べ、その有効性と安全性を理解することは欠かせない。こうした中で韓国の動きも参考になる可能性はある。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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