
施術とスキンケアを統合した美容医療を進める。(出典/ガルデルマ)
スイスのガルデルマは2025年9月10日、医療スキンケアブランド「Alastin(アラスティン)」を中国で発売した。
投入するのは施術前後や日常ケアを支える4製品で、施術前後のスキンケアニーズに応える。
中国で拡大する施術前後のスキンケア市場に対応

施術前後のスキンケアに対応。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 中国市場の成長性→ 中国の美容医療市場は今後10年間で最大15%の成長が見込まれ、世界でも有数の成長スピードを誇る。
- アラスティンの中国初展開→ ガルデルマが施術前後の医療スキンケアブランド「アラスティン」を中国で初めて発売。施術前・施術後・日常ケアを包括する「フルスペクトラム型」製品群を提供。
- 科学的裏付けと独自技術→ 「TriHex Technology」によるコラーゲン・エラスチン再生の促進を特徴とし、50以上の皮膚科学論文・22件の特許取得を背景に、米国を含むグローバル展開を拡大中。
同社によると、中国の美容医療市場は世界でも有数の成長スピードを見せ、今後10年間で最大15%の成長が見込まれている。
施術を受ける人々の間で関心が高まっているというのが、施術前後のスキンケア。施術の効果を高め、ダウンタイムを抑えることが目的だ。
今回ガルデルマは施術前後の医療スキンケアブランドとしてアラスティンを中国で初めて発売した。施術前後から日常の維持ケアまでを一貫して支える「フルスペクトラム型」の製品群を提供すると説明する。
今回中国で展開されるのは次の4製品。
- Regenerating Skin Nectar:施術前に使用し、治療の目に見える効果を高める。
- HA IMMERSE Serum:ヒアルロン酸を配合し、肌のバリア修復と保湿をサポート。
- INhance Serum:注入系施術後の回復を早め、肌の見た目を改善。
- Restorative Skin Complex:老化の兆候を軽減し、施術効果を持続させる。
こうした製品の一部には独自の技術である「TriHex Technology」が使われ、コラーゲンやエラスチンの再生を促進するという。
同社によると、製品の科学的な裏付けとして、同社はこれまでに50以上の皮膚科学論文を発表し、22件の特許を取得している。米国では施術前後のスキンケアブランドとして最も高いシェアを有しており、その成功を背景に北米、欧州、オーストラリアへと展開。今回の中国進出は、それに続くグローバル展開の一環となる。ガルデルマは「施術とスキンケアを統合した包括的な美容医療」の実現を推進しているという。
ロレアルが10%出資、美容医療と化粧品の融合へ

注入製剤のブランドを複数保有するガルデルマ。(写真/ガルデルマのホームページ)
- ロレアルとの戦略提携→ 2024年8月、ガルデルマはロレアルにより株式の10%を取得され、「戦略的な科学パートナーシップ」を締結。今後は共同研究・製品開発を推進。
- 美容医療と化粧品の融合→ ガルデルマ(美容医療の主力企業)とロレアル(化粧品大手)の協業により、メディカルコスメの開発や市場展開の融合が加速。中国展開はその象徴的動き。
- 国際的影響と日本市場への波及→ グローバルでの動きは日本の美容医療にも影響を及ぼす可能性があり、安全で効果的な製品がより広く利用されることが期待される。
ガルデルマは、2024年8月、仏ロレアルグループにより株式の10%を取得されている。両社は「戦略的な科学パートナーシップ」を結び、今後は共同研究や新たな製品開発を進める方針としていた。
ガルデルマはヒアルロン酸注入剤「レスチレン」やボツリヌス製剤など、美容医療の主要な製品群を持つ企業。一方でロレアルは世界的な化粧品大手として、肌科学や消費者理解に強みを持つ。両社の協業により、美容医療とスキンケアの垣根を越えた統合的な市場展開が加速すると見られていた。
なお、アラスティン・スキンケアも2021年にガルデルマによって買収された企業。施術前後のスキンケア製品で実績を積んでいた。
いわゆるメディカルコスメやドクターズコスメの開発は、化粧品各社が力を入れているところで、今回の中国進出は単なる新市場展開にとどまらず、ロレアルとの提携を背景に、化粧品と美容医療の融合を加速させる動きとも見られる。こうした国際的な動きは、日本の美容医療にも影響する可能性がある。
安全で効果的な製品がより広く利用できるようになることが期待される。
