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米国食品医薬品局(FDA)が 家庭用マイクロニードルは「未承認」 リスクと規制対象の可能性指摘、承認しているものは医療用のみ、皮膚障害や感染症などの恐れ

カレンダー2025.10.17 フォルダー 海外
米国食品医薬品局(FDA)。(写真/Adobe Stock)

米国食品医薬品局(FDA)。(写真/Adobe Stock)

 米国食品医薬品局(FDA)は2025年10月15日、最新の消費者向け安全情報を公表し、マイクロニードル機器に関するリスクと誤使用の危険性を注意喚起した。

 日本国内でも、市販の「マイクロニードル」と説明された商品が購入できる状態になっており、理解しておくとよさそうだ。

医療機器に該当する可能性

米国食品医薬品局(FDA)がマイクロニードルの市販品に注意喚起。(出典/FDA)

米国食品医薬品局(FDA)がマイクロニードルの市販品に注意喚起。(出典/FDA)

  • マイクロニードルとは → 極細の針で皮膚に微小な穴を開け、美容や治療効果を促す技術。医療機関だけでなく家庭用スキンケア製品としても販売されている。
  • FDAの規制方針 → 皮膚構造や機能に影響を与える、または真皮層まで到達する針構造を持つ製品は「医療機器」として規制対象。電動ペン型や医療用ダーマペンが該当する。
  • 承認状況 → 承認済みなのは医療従事者が使用する医療用機器のみで、目的は「ニキビ跡」「シワ」「外科手術痕の改善」に限定。家庭用マイクロニードルはFDA未承認。

 マイクロニードルは、極細の針で皮膚に微小な穴を開け、美容効果を促す技術。ニキビ跡やシワの改善などを目的に、医療機関のみならず家庭用スキンケア製品としても存在している。

 FDAは、マイクロニードル製品のうち「皮膚の構造や機能に影響を与えるもの」、皮膚を貫通して真皮層に到達する針構造を持つ機器は、医療機器として規制対象になると説明した。電動のペン型のものや、医療用ダーマペンなどが当てはまる。

 承認済みの機器は一部の医療用のもので、顔のニキビ跡やシワ、腹部の手術痕の改善などを目的とする、医療従事者が操作する機器に限られている。FDAは「施術を受ける場合は、特別な訓練を受けた医療従事者に依頼すべき」としている。

  一方、FDAは、家庭用としてマイクロニードルローラーや電動ペン型デバイスを承認していないと説明した。針が短く角質除去をする程度のものは、美容目的で医療機器に該当しないが、針が皮膚の深層に到達する構造なら医療機器扱いになる可能性がある。

 今回、FDAは、誤った使用によって皮膚障害や感染症を引き起こすリスクが高まるとし、特に家庭用製品の使用に注意を呼びかけている。

 FDAが現在認可しているマイクロニードル治療の目的は、以下の3つに限定されている。顔のニキビ跡の改善、顔や首のシワの軽減、腹部などの外科手術による瘢痕(はんこん、傷跡)の改善。一方で、このほかの用途、特に発毛治療や化粧品・PRP(多血小板血漿)などとの併用については、FDAはいずれも承認していないと明言している。

感染症や色素異常など、マイクロニードルのリスク

肌トラブルの可能性も。(写真/Adobe Stock)

肌トラブルの可能性も。(写真/Adobe Stock)

  • 主なリスク → 出血、赤み、腫れ、かゆみ、皮むけなどの一時的な皮膚障害のほか、感染症、色素沈着・色素脱失、リンパ節腫脹、化粧品や日焼け止めによる刺激・痛みの可能性がある。
  • 衛生面の注意 → 針の再使用や不適切な消毒は細菌・ウイルス感染の原因になる。FDAは「カートリッジの再利用は厳禁」とし、施術ごとに新品の針を使用するよう強く求めている。
  • 国内への示唆 → 日本国内での同様の器具使用においても、十分な衛生管理と使用上の注意が求められる。

 FDAは、マイクロニードルには次のようなリスクがあると警告している。出血、赤み、腫れ、かゆみ、皮むけなどの一時的な皮膚障害のほか、まれではあるものの、感染症、色素沈着や色素脱失、リンパ節腫脹、化粧品や日焼け止めによる刺激感や痛みが挙げられている。

 また、針の再使用や不適切な消毒は、細菌感染・ウイルス感染の原因になる。FDAは「カートリッジの再利用は厳禁」と明記し、施術ごとに新品の針を使用するよう求めている。

 国内でも同様の器具の使用においては、十分な注意が求められる。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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