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米国食品医薬品局(FDA)がマイクロニードルRFの安全性に注意を促す ヤケドや神経損傷などの合併症が発生も、医療従事者による実施など注意点に挙げる

カレンダー2025.10.18 フォルダー 海外
マイクロニードルRF。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

マイクロニードルRF。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 米国食品医薬品局(FDA)は2025年10月、RF(高周波)マイクロニードルの施術を行った後に合併症を引き起こすケースが報告されているとして一般、および医療関係者向けに注意喚起した。

マイクロニードルRF、リスクも忘れずに

マイクロニードルRF。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

マイクロニードルRF。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 対象機器 → マイクロニードルRFは、極細の電極を皮膚に挿入し、高周波(RF)エネルギーで皮膚深部を加熱する美容機器。ニキビ跡やシワ、手術痕改善などを目的に医療機関で広く使用されている。
  • FDAの警告 → 使用後にヤケド、瘢痕、脂肪減少、神経損傷、顔面の非対称・変形といった重い合併症の報告があり、長期的に外見や生活に影響を与える可能性がある。
  • 安全管理の重要性 → 適切な装置設定、操作技術、施術環境の衛生管理が不可欠。FDAは家庭用機器の安易な使用を避け、専門的訓練を受けた医療従事者による施術を推奨している。

 ヒフコNEWSで伝えたが、FDAは同日に、家庭用のマイクロニードルについて注意喚起しているが、マイクロニードルRFについても安全性に気を付けるよう求めた。

 マイクロニードルRFは、極細の電極を皮膚に挿入して、それを通じて高周波(RF、ラジオ波)による熱エネルギーを皮膚の深部に伝えて加熱する美容機器。

 これは熱によるコラーゲン生成などの皮膚の再構築を促すとされ、ニキビ跡や小ジワ、手術痕などの改善を目的に多くの医療機関で利用されている。

 FDAによれば、マイクロニードルRFの使用後にヤケドや瘢痕(はんこん、傷跡)、脂肪減少、神経の損傷、顔面の非対称や変形といった重い合併症の報告もある。これらの副作用は、施術直後に生じる表面的な赤みやかゆみとは異なり、長期間にわたり外見や生活に影響を及ぼすとされる。

 また、適切な装置設定や操作技術、施術環境の管理が重要であることも指摘されている。

社会的意義と安全意識の再確認

マイクロニードルRF。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

マイクロニードルRF。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 FDAは、こうしたリスクを避けるために、次のような注意点を挙げた。

  • マイクロニードルRFは医療行為であり、家庭用としての使用には適さない
  • 経験と訓練を受けた有資格の医療従事者による施術を受けること
  • 施術後に異常を感じた場合には速やかに医療機関を受診すること
  • ヤケド、瘢痕、脂肪萎縮、神経損傷、変形などの重い合併症が報告されていることを理解した上で、施術の可否を判断すること
  • トラブルや副作用が生じた場合は、FDAのMedWatch制度などを通じて報告することが重要

 施術後のスキンケアについても、皮膚が敏感な状態となるため、適切な指導のもとで行うべきとされる。

 日本国内でも、マイクロニードルRFは市民権を得ているが、安全性に関するリスクがあることを理解しておくことは重要だろう。

 また、国内のエステ検索サイトで調べると、マイクロニードルRFの施術を提供している施設が存在していることがうかがわれる。

 日本国内では、美容医療機器の承認が行われていないケースが多く、扱いが曖昧であるが、FDAが指摘するように専門的な知識が求められることを理解して施術を受ける場所を選ぶことは重要だろう。

 一方で、このような機器が一般に広がる中で、日本も美容医療機器の有効性や安全性を公的に調査して、必要な承認を行う制度整備も求められているだろう。FDAはトラブルや安全性についての問題を報告する仕組みを作っているが、日本国内では同じような問題が起きても対処が不十分である恐れがある。

 米国の注意喚起は、美容医療機器全般の安全性について考えるきっかけにもなるだろう。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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