ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

GLP-1飲み薬が肥満症治療で米国初承認、セマグルチドの「ウゴービ経口薬」登場、吐き気や下痢、嘔吐などの副作用や顔がこける変化には注意

カレンダー2026.1.7 フォルダー 海外
飲み薬登場。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

飲み薬登場。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 概要→ノボノルディスクは2026年、GLP-1受容体作動薬「ウゴービ」の錠剤タイプを米国全土で提供開始。
  • 効果と安全性→第3相試験では、64週間で平均約14~17%の体重減少が確認された。主な副作用は吐き気、下痢、嘔吐など。
  • 位置づけ→有効成分は注射剤と同じセマグルチドで、肥満症を慢性疾患として捉える。

 肥満症の薬は世界的に使用が広がり、品薄になる事態も起きていた。日本でも肥満症だけではなく、ダイエット目的に使われることもあり、問題になっていた。

 そうした中で、米食品医薬品局(FDA)が2025年12月22日、肥満症薬として初めての飲み薬を承認した。糖尿病薬としては先にリベルサスという薬があったが、同成分で肥満症としての薬が登場することになる。

 注射薬よりも手軽に使える薬となるが、安易な使用では、副作用が起きたり、「オゼンピックフェイス」と呼ばれる頬がこけてかえって見た目が老化する変化が起きたりすることもあるので注意が必要になる。

平均14%の体重減少

肥満薬が身近になる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

肥満薬が身近になる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 展開の概要→ノボノルディスクは2026年1月、GLP-1受容体作動薬「ウゴービ」の錠剤タイプを米国全土で提供開始。
  • 効果と安全性→64週間で平均約14~17%の体重減少が確認。主な副作用は吐き気、下痢、嘔吐などで、既存のGLP-1薬と同様の傾向。
  • 位置づけ→有効成分は注射剤と同じセマグルチドで、肥満症を慢性疾患として捉える。

 開発販売元のノボノルディスクは2026年1月5日、GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1薬)、ウゴービの錠剤タイプが、米国全土で広く利用可能になったと発表した。

 ウゴービ経口薬は、成人の肥満症、体重に関連する健康問題を伴う過体重の人を対象に、食事療法と運動療法と併用して使用される。

 同社によれば、米国内の大手薬局チェーンや一部のオンライン診療サービスを通じて提供される体制が整うという。1日1回服用する錠剤である点が特徴で、注射に抵抗がある人にとって利用しやすい形とされる。

 従来糖尿病薬として販売されたリベルサスも、ウゴービの飲み薬も、有効成分は同じセマグルチド。用途により商品名が変わった形になる。これはオゼンピックとウゴービが同じ成分で名前が違うのと同じことといえる。

 承認の根拠となった第3相臨床試験「OASIS 4」では、糖尿病のない肥満症または過体重の成人307人を対象に64週間の試験が行われた。その結果、治療を継続した条件下では平均約17%、治療中断例を含めた解析でも平均約14%の体重減少が示された。

 主な副作用は、悪心(吐き気)、下痢、嘔吐などで、同様の傾向だったとしている。

 価格面では、自己負担の場合、導入用の低用量が月149ドルから利用可能とされ、保険加入者向けの支援プログラムも用意されている。ノボノルディスクは、肥満症を慢性疾患として捉え、治療へのアクセスを広げることを今回の展開の狙いとしている。

「オゼンピックフェイス」には注意

やせ過ぎの注意も。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

やせ過ぎの注意も。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 懸念点→GLP-1薬は肥満症治療に加えダイエット目的で使われることが多く、過度な体重減少や病的な低体重につながるリスクが指摘。
  • 美容・健康への影響→内臓脂肪が優先的に減ることで頬がこける「オゼンピックフェイス」が報告。
  • 今後の視点→新しい肥満症薬の登場が見込まれる中、体重減少量だけでなく、脂肪と筋肉の減り方や見た目の変化まで含めた評価が重要となる可能性。

 GLP-1薬は肥満症の人だけではなく、ダイエット目的で使われることも多く、それが過剰な低体重につながるとして問題にもなっている。

 最近では、GLP-1薬が内臓脂肪に効果が出やすく結果として頬がこける「オゼンピックフェイス」につながりやすいと報告されている。美容目的で使用したのに、かえって顔が老化したということになりかねないので注意が必要だろう。

 無理に体重が減りすぎることが、病的な低体重を引き起こすことも問題になりつつある。日本肥満学会は、特に女性で問題になっており、「女性の低体重/低栄養症候群(FUS)」を提唱した。貧血、月経周期異常、けん怠感などの健康障害の背景に低体重や低栄養があると指摘した。

 もっとも、肥満症薬の進化はこれからも続く見通しだ。別のタイプのGLP-1薬が登場する可能性がある。さらに、アミリン系と呼ばれる新しい肥満に対する薬が登場する可能性がある。選択肢が増えるほど、単に体重を減らすだけではなく、脂肪や筋肉がどのような割合で減るのか、見た目がどう変化するのかといった違いにも関心が寄せられることが考えられる。

参考文献

Novo Nordisk’s Wegovy pill, the first and only oral GLP-1 for weight loss in adults, now broadly available across America
https://www.novonordisk.com/news-and-media/news-and-ir-materials/news-details.html?id=916475

GLP-1薬でなぜ「オゼンピックフェイス」に? 顔だけコケるメカニズムとは、内臓脂肪との関連に注目、ドイツの研究者が新説を報告
https://biyouhifuko.com/news/research/15581/

若年女性の「やせすぎ」は病気、日本肥満学会が新たに「FUS」提唱、低体重や低栄養がもたらす月経異常や貧血などを症候群として定義、「痩せ=美」の圧力、健康問題に対策迫られる
https://biyouhifuko.com/news/japan/13005/

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。