ニューヨーク市議会が2025年12月に公表した調査で、無資格メディカルスパでの違法な医療行為が明らかになったことを受けて、米国皮膚科学会の関連団体とニューヨーク州の皮膚科関連学会が共同声明を出した。
無資格の施設が医療行為を行えないことを明確に示すなどの規制強化を求めている。
「医療はできません」を見えるように

声明を発表。(出典/米国皮膚科学会)
- 規制強化の要望→両団体はNY市議会の調査結果を踏まえ、ニューヨーク州議員に対し、メディスパや美容・ネイルサロンなどが「医療行為の免許を持たない」ことを消費者に分かりやすく表示する法制化を求めた。
- 誤認リスクへの懸念→メディカルスパは医療機関と異なり公的な医療監督を受けていないにもかかわらず、外見上は医療施設と区別がつきにくいと指摘。
- 専門性の重要性→レーザー治療などは、適切な訓練を受けた医療従事者が行えば安全だが、不適切な使用ではヤケドや瘢痕、長期合併症につながる可能性があると説明。
声明で両団体は、NY市議会が行った調査を踏まえ、ニューヨーク州の議員に対して規制強化の要望を出している。
具体的には、メディスパのほか、美容やネイルサロンを含めた見た目の改善につながるサービスを提供する事業者が、「医療行為の免許を持たない」と消費者に分かりやすく表示するよう法制化すること。
声明では、メディカルスパなどは、医療機関とは異なり、公的な監督を受けていないと指摘。にもかかわらず、メディカルスパの中には、医療機関と見分けが付きづらいところもあり、利用者が医療施設と誤解しかねないという状況に懸念を示す。
レーザー治療を例に挙げて、適切に訓練された医療従事者が扱えば安全で有効だが、誤った使い方は痛みを伴うヤケドや傷跡、長期の合併症につながると指摘。皮膚の構造や機能を深く理解し、顔面の神経や筋肉などの解剖を含めて専門訓練を受けた皮膚科専門医が対応すべきだと強調している。
全米に広がるメディカルスパ問題
- NY市で顕在化した問題→ニューヨーク市議会の調査では、メディカルスパ15店舗すべてで法令違反や安全管理の不備が確認。
- 全米共通の構造的課題→メディカルスパの問題はNY州に限らず、2024年にはマサチューセッツ州タフツ大学医学部の医師も警鐘を鳴らしている。
- 今後の注目点→今回のニューヨーク市での規制や是正の動きが、他州にも波及し、米国全体でメディカルスパの位置づけや監督体制が見直されるかが注目される。
ヒフコNEWSで伝えたように、ニューヨーク市議会などがメディカルスパ15店舗を調査し、全店で法令違反や安全面の不備が見つかっている。編集部で調べると、確かに調査され免許取消になった施設は、見た目が美容クリニックと見間違うようなウェブサイトを公開していた。
また、メディカルスパはニューヨーク州に限らず米国で問題視されている。
2024年5月、マサチューセッツ州タフツ大学医学部の医師が、メディカルスパの問題を訴える情報発信をしている。その文書によれば、メディカルスパは専門資格のない医師が開設する場合が多く、医療責任者が現場に不在だったり、施術スタッフの技術不足があったりする問題があるという。結果として、感染症などのリスクにつながると注意を喚起していた。
今回、ニューヨーク市での動きが米国全体に広がりを見せるか注目される。
参考文献
Joint statement from the American Academy of Dermatology Association and the New York State Society of Dermatology and Dermatologic Surgery on New York City Council medspa investigation
https://www.aad.org/news/joint-statement-new-york-medspa-investigation
米国ニューヨークで違法疑いメディスパ調査、全店で法律違反など明らかに、「無資格」横行で免許取消も、規制強化の波は米国にも
https://biyouhifuko.com/news/world/16054/
米国で広がるメディカルスパとは何なのか、医療事故などで注目集まる、専門資格のない美容医療の問題、タフツ大学医学部の医師が解説
https://biyouhifuko.com/news/world/7134/
