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「フローズン」から「ナチュラル」へ、価格下落時代の美容医療、発展の鍵は栄養やロンジェビティなどに BCGのロッシ氏がIMCAS World Congress 2026で講演

カレンダー2026.2.28 フォルダー 海外
IMCAS World Congress 2026で講演した米ボストンコンサルティンググループのロッシ氏。(写真/編集部)

IMCAS World Congress 2026で講演した米ボストンコンサルティンググループのロッシ氏。(写真/編集部)

 美容医療への関心は世界的に高まっている。一方で、施術価格の下落も進み、単なる値下げではなく「どのように価値を高めるか」が問われている。

 フランス・パリで開催されたIMCAS World Congress 2026で、米国ボストン コンサルティング グループ(BCG)の美容医療分野グローバルリーダー、セルジオ・ロッシ氏が講演。世界市場の構造変化と今後の方向性を示した。

消費者が選ぶ時代に

IMCAS World 2026での講演。(写真/編集部)

IMCASでの講演。(写真/編集部)

  • 市場構造の変化→ 施術数は増加する一方で単価は下落し、市場成長は緩やかに。
  • 伸びる領域→ フィラー×スキンブースター、高周波、ボツリヌスなど複合・低侵襲治療が拡大。
  • 消費者主導→ 価格だけでなく体験や納得感を重視する「選ぶ時代」へ移行。

 ロッシ氏によれば、世界の医療美容関連製品市場は約240億ドル(約3兆6000億円)。2030年まで年率5〜7%の成長が見込まれている。

 ただし内訳を見ると、施術を受ける人の数や回数は年7〜9%増えている一方で、施術単価は低下傾向にある。そのため市場全体の成長率は約5%にとどまっているという。

 比較的伸びているのは、ヒアルロン酸フィラーとスキンブースターやバイオスティミュレーターを組み合わせた治療、ボツリヌス療法、高周波などのデバイス施術、フェイシャル施術、メディカルコスメ。一方、ヒアルロン酸フィラー単独や乳房インプラントは伸びが落ち着いている。

 特にボツリヌス療法とヒアルロン酸フィラーでは価格低下が進んでいる。

 ロッシ氏が強調したのは「消費者が選ぶ時代」への移行だ。アジアだけでなく、米国でも消費者の影響力が拡大。スキンクリニックやメドスパの拡大が続き、企業や医療機関は消費者視点をより重視する必要があるとした。

新しいカテゴリーで価値を作る

IMCAS World 2026が開催されたパレ・デ・コングレ・ド・パリ。(写真/編集部)

IMCAS World 2026が開催されたパレ・デ・コングレ・ド・パリ。(写真/編集部)

  • 地域別の入口→ 米国はボツリヌス、欧州は脱毛、中国はフェイシャルと入り口が異なる。
  • 個別化と可視化→ 複数施術の組み合わせや成果の見える化が今後の鍵。
  • 次世代分野→ 栄養プラニング、ロンジェビティ、GLP-1関連など新カテゴリーに発展の可能性。

 地域別では、美容医療への入り口が異なる。米国ではボツリヌス療法、欧州ではレーザー脱毛、中国ではフェイシャル施術が多い傾向にある。

 コラーゲン生成を促すスキンブースターやバイオスティミュレーターは、欧州や中国で拡大傾向。一方で、ヒアルロン酸フィラーやボディーコントゥアリングから入る層は各地域とも少数派にとどまる。

 今後は、複数施術の組み合わせや個別化された提案、成果の可視化が重要になると指摘。若年層が試しやすい設計や、過度に不自然な仕上がりを避ける「ナチュラル志向」も鍵になるとした。

 さらにロッシ氏は、次世代カテゴリーとして、栄養プラニング、ロンジェビティ(健康寿命)、ウェルネス、頭髪回復、GLP-1関連、ホルモン補充療法などを挙げた。現在は米国での関心が高いが、今後は欧州や中国にも広がる可能性があるという。

 単なる価格競争ではなく、新しい価値や分野を設計することが今後の成長につながる――。その指摘は、日本市場にとっても示唆に富む内容といえそうだ。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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