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フランスのロレアル、美容医療を本格強化 医療従事者ネットワークは30万人を超える 美容医療からロンジェビティ、一般向けも IMCASで複数ブランドを展開

カレンダー2026.3.17 フォルダー 海外
IMCAS展示会場。ロレアルのブランドが一カ所にまとまっている。左はスキンシューティカルズの展示。右はロレアル・ダーマトロジカル・ビューティー・プロ。(写真/編集部)

IMCAS展示会場。ロレアルのブランドが一カ所にまとまっている。左はスキンシューティカルズの展示。右はロレアル・ダーマトロジカル・ビューティー・プロ。(写真/編集部)

 世界最大のコスメ企業ロレアルが、美容医療分野の強化を本格化させている。

 IMCAS World Congress 2026の会場では、同社は複数ブランドを展開し、アプローチを変えながら美容皮膚科に関連するカテゴリーを深掘りしている。

美容医療と連携するスキンケア

スキンシューティカルズの施術を組み合わせるタイプのスキンケア製品。(写真/編集部)

スキンシューティカルズの施術を組み合わせるタイプのスキンケア製品。(写真/編集部)

  • 施術と組み合わせるスキンケア→ レーザーやピーリング後のケアを想定したメディカルコスメを展開。
  • 医療向けブランドを拡大→ スキンシューティカルズやスキンベターサイエンスなどを強化。
  • 医師ネットワークを構築→ 世界約33万人の医療従事者が参加するプラットフォームで教育や情報共有を進めている。

 その中心にあるのが、美容医療との連携を前提としたブランドだ。

 代表がスキンシューティカルズ(SkinCeuticals)。今回のIMCASでは、新たに展開を始めるピーリングやレーザーなどの美容施術と組み合わせることを想定したスキンケア製品を紹介していた。施術に合わせたホームケアを通じて治療効果を高めることを目的としている。美容医療の現場でいわゆる「メディカルコスメ」として使用される。

 また、医療向けブランドとしてスキンベターサイエンス(Skinbetter Science)も展開していた。このブランドは2016年設立で比較的新しい。バイオテクノロジーに基づくスキンケアを掲げ、臨床試験による安全性と有効性の検証を重視している。より医療寄りのブランドで、今後存在感を高める可能性がある。

IMCAS展示会場。ロレアルのスキンベターサイエンス。(写真/編集部)

IMCAS展示会場。ロレアルのスキンベターサイエンス。(写真/編集部)

 ロレアルは製品だけでなく、医師コミュニティの構築にも力を入れる。「ロレアル・ダーマトロジカル・ビューティー・プロ(L’Oréal Dermatological Beauty PRO)」というプラットフォームは約5年前から整備を進め、このネットワークには、現在世界で約33万人の医療従事者が参加している。医師向け教育コンテンツや情報共有を通じ、皮膚科医や美容医療の専門家との関係を深める。

 今後、美容医療での動きが活発になる可能性が高いのは、同社がこの分野でのグループ会社を増やしていることからもうかがえる。象徴的な動きとして、ヒアルロン酸などで世界的に大規模なグループであるガルデルマ(Galderma)の株式取得を進めていることがある。

 さらに、生物学的年齢測定技術を手がける企業への投資など、ロンジェビティ関連のバイオテクノロジー分野にも関心を広げている。

可視光対応UVケア、コラーゲン関連製品など一般向けに

ラロッシュポゼなど一般向け製品も他ブランドと併せて展示。(写真/編集部)

ラロッシュポゼなど一般向け製品も他ブランドと併せて展示。(写真/編集部)

  • 一般向けブランドも展開→ ラロッシュポゼやヴィシーなどの製品を紹介。
  • 光対策やコラーゲンケア→ 可視光対応のUV製品やコラーゲン関連スキンケアを打ち出す。
  • 医療と市販の両輪→ 美容医療向けブランドと一般向け化粧品を組み合わせて市場を広げている。

 ロレアルは市販の化粧品で世界最大のグループだが、美容医療分野のブランドと併せてより一般向けのブランドも同時展開していた。

ラロッシュポゼ。可視光を抑えるUV対策製品を展開。(写真/編集部)

ラロッシュポゼ。可視光を抑えるUV対策製品を展開。(写真/編集部)

 ラロッシュポゼ(La Roche-Posay)では、紫外線だけでなく可視光にも対応するUVケア製品を紹介していた。光の肌への影響をより抑えられる製品として打ち出していた。

 またヴィシー(Vichy)では、コラーゲン関連製品や毛髪ケア製品などを展開していた。

ビッシーでは、コラーゲン関連製品や毛髪関連製品を展開。(写真/編集部)

ビッシーでは、コラーゲン関連製品や毛髪関連製品を展開。(写真/編集部)

 ロレアルは、美容医療との連携、医師コミュニティのネットワーク、一般向けの拡大という3つの方向でブランドを強化している。美容医療の領域で、多面的なブランド展開という面では先行していると見られる。

 日本では同社の代表的なブランドであるスキンシューティカルズを新たに強化し始めてから日が浅いが、IMCASの講演でも見られているように、メディカルコスメと美容施術を組み合わせる考え方が強まる中で、ロレアルのブランドが注目される可能性もある。

参考文献

ロレアル、ガルデルマの株式をさらに10%拡大 化粧品企業の美容医療分野への接近が加速 日本でも化粧品と医療との連携が進展
https://biyouhifuko.com/news/world/15703/

ロレアルが長寿研究の強化、予防の重視を宣言、老化への対策で提携を広げる、「フラーリッシング×ロンジェビティ」で変わる美容医療
https://biyouhifuko.com/news/world/13274/

フランス・ロレアルが英国レチノイド系スキンケア「Medik8」に出資、薬局発製品が高級ブランド群に組み入れ、ビタミンC、日焼け止め、ビタミンAの3本柱でアンチエイジング
https://biyouhifuko.com/news/world/13081/

生物学的年齢を測定、エピジェネティックスにフランス・ロレアルが注目、ロレアル×トル、米国の関連バイオ企業と提携、美容や長寿の分野に力入れる
https://biyouhifuko.com/news/world/12087/

ロレアルグループが韓国のスキンケアブランド「Dr.G」買収、韓国コスメの存在感が一層高まる可能性、韓国政府は化粧品輸出が12年間で10倍と報告
https://biyouhifuko.com/news/world/10879/

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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