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信頼の美容医療へ、専門家による症例報告の国際ガイドライン公開

カレンダー2023.8.19 フォルダー 海外

ポイント

  • 国際ガイドラインによる症例報告の透明性や一貫性の改善が進められた
  • 従来のガイドラインは具体性に欠け、情報共有をするための標準化が求められていた
  • 新しいガイドラインでは、症例報告に盛り込む情報をチェックリストにしている
美容医療の症例報告。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

美容医療の症例報告。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 美容医療に関わる専門家の間で重要な情報を交換するための国際的なガイドラインが公開された。報告すべき重要な情報の基準をはっきりさせる動きで、これは美容医療をより良くすることにつながりそうだ。

美容医療の報告、スタンダードを示す

美容医療の専門家。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

美容医療の専門家。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 今回のガイドラインの解説によると、美容医療の領域では、珍しい症例、革新的な治療法、予期せぬ事態など、医療関係者の間で詳しい情報が迅速に共有されることは重要だという。しかし、そのような症例報告をするときに、どのような基準に従って情報を盛り込めば良いかという具体的な基準がなかった。

 この課題に対応するため、研究者や専門家が協力して、「Case REporting in Aesthetic Medicine(CREAM)」と題するガイドラインを作成し、2023年8月18日に、美容外科専門Aesthetic Surgery Journal Open Forumで公開した。

症例報告の基準をチェックリストに

美容医療の情報をどのように専門家同士でシェアするか。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

美容医療の情報をどのように専門家同士でシェアするか。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 この新しいガイドラインの特徴は、さまざまな分野を代表する専門家が参加した合意形成のプロセスを経てまとめられたことである。これらの専門家には、形成外科や皮膚科のような美容医療との関連が深い専門家に限らず、美容医療以外の専門家も含まれた。

 ガイドラインのもう一つの特徴はチェックリストを導入していることだ。このチェックリストには、症例を報告する際に取り入れるべき重要な要素がまとめられている。施術を受ける人の情報、手技の詳細、有効性や安全性の観点からの結果、倫理的な配慮などの項目が挙げられている。

 今回公開された国際ガイドラインが日本ですぐに採用されるとは限らないが、日本においても医療関係者の間の情報共有が重要であることには変わりない。また、ガイドラインが美容医療を受ける一般の人たちにとって直接影響を与えるわけではないが、日本の医療関係者の間で透明性のある情報交換の文化が広がることは、美容医療を受ける人たちの経験を間接的に向上させることにつながる。

 そのような視点から見ると、今回のガイドラインは美容医療をより良くするために見逃せない動きの一つであり、今後の展開も期待されるものと言える。

参考文献

Eqram Rahman, MBBS, MS, MMEd, PhD and others, Developing Consensus-Based Guidelines for Case Reporting in Aesthetic Medicine (CREAM): Enhancing Transparency and Standardization, Aesthetic Surgery Journal Open Forum, 2023;, ojad076, https://doi.org/10.1093/asjof/ojad076

https://academic.oup.com/asjopenforum/advance-article/doi/10.1093/asjof/ojad076/7244660

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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